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『韓国』大混乱でも変わらぬ脱北女性たちの“人身売買”の悲劇

 韓国・朴槿恵氏は“世界一孤独な大統領”と言われている。権力者の孤独が相談相手に選んだのは親友、崔順実容疑者(60)だった。側近の裏切りにより朴氏は母親が暗殺され、父親も射殺された。自分の周りから人が離れたときに彼女を支えたのが崔容疑者だと言われる。

 崔容疑者の一連の国政介入疑惑はとめどもなく広がっている。中でも名門の梨花女子大学に不正入学していたとして、教育省から同大に対し入学取り消し要請が出ている崔容疑者の娘(20)がネット上に「お金も実力のうち」と投稿したことは、受験勉強に追われる学生や母親たちの怒りに火をつけた。何より崔容疑者はキリスト教徒が多数派である韓国社会において、下層民であるムーダン(韓国土着の職業的宗教者)であることが火に油を注いでいるのだ。

 この状況を、北朝鮮から脱出して韓国に入った脱北者はどう見ているだろうか。
 2016年に統一省と脱北者定着支援機関が行った調査では「自分は下層だ」と評価する脱北者は61%に上った。事件どころではない、というのが正直な胸の内だろう。
 「脱北者は現在約3万人です。公共住宅を優先的に斡旋され実質無償、国公立大学の学費は全額免除、職業訓練を受け、資格や免許を取得すると奨励金がもらえるなどさまざまな優遇政策があります。身寄りのない65歳以上の脱北者に対する『基礎生活受給』も、9月より49万ウォン(約46000円)から52万ウォンに増額されている。対する韓国人の老齢年金は月額20ウォン。不況で大学生の就職率が3割あるかないかの現在、脱北者の優遇政策への反感が渦巻いているのです」(通信社特派記者)

 とはいえ、北朝鮮のエリートだった脱北者でさえ確実に疎外感は抱くようだ。
 「超学歴社会である韓国では学縁や地縁、血縁が固く結び付き“よそ者”の脱北者には見えない壁を作って排除してしまうのです。例えば脱北者が博士号を獲得したところで、大学教授にはまずなれません」(あるエリート出身の脱北者)

 脱北者の7割を占める女性はもっと冷遇されている。中国の農村に人身売買で売られ、性的虐待を受けるなど過酷な人権侵害に遭った後に脱出した北朝鮮女性も多い。そんな彼女たちが食うため、自由のために逃げ延びたはずの韓国で、風俗業しか働き口がない状況に陥っているのは悲劇だ。
 「韓国社会からも疎外されている彼ら彼女らは、大統領を追及するデモとも全く無縁で、生活のために黙々と働き続けるしかありません」(同)

 「統一」を国是に掲げる韓国の実態は“仮想現実”の域を超えることはない。

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