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永久氷河の底に眠る秘密は地球温暖化によって溶け出すのか?

 今月の初め、地球温暖化にともなってグリーンランドの氷床が融解し、半世紀ほど前に放棄された極秘施設が氷原に露出しているとの調査結果が発表された。環境汚染、それも放射性廃棄物による汚染が懸念されるとの情報から、リオ五輪の直前だったにもかかわらず、ある程度の注目を浴びていた。しかし、ネットで大騒ぎする環境保護マニアや反核反原発原理主義者とは別に、発表された内容へ熱い視線を注ぐ人々がいた。

 世界各地の未確認飛行物体マニアである。

 発端となったのは米軍が1960年に建設したグリーンランドの軍事基地で、アメリカとソビエト(現ロシア)の対立によって生じた東西冷戦を背景とした、表向きは北極圏における前哨防衛基地構想の一環とされていた。ただ、この軍事基地は通常の施設と異なり、永久氷河の氷を削ってトンネルを掘削し、氷床内部に建設するというもので、さらに基地の動力には小型の原子炉を用いるという、当時としても極めて野心的な計画であった。

 ただ、グリーンランドはデンマーク領であるため、米軍はデンマーク政府へ計画への協力を求め、その際にキャンプ・センチュリー(Camp Century)として施設の概要などが公表された。また、キャンプ・センチュリーの建設承認に際してはデンマーク議会の承認も得ており、野心的な施設ではあっても極地における建設技術の実験と観測を目的としており、表向きは特に危険なものではないということになっていた。

 キャンプ・センチュリーは米サタデー・イブニング・ポストに概要記事が掲載されるなど、最先端の科学技術を活用した極地研究の拠点として宣伝されたが、永久氷河に隠れてあらゆる監視や偵察を逃れ、なおかつ北極からソビエトの中枢部にアプローチ可能な地点という、軍事的に絶好の場所を占めており、当初から別の目的があるとの疑惑を持たれていた。

 ところが、基地が1960年に運営を開始すると、思いもよらぬ問題が発生した。当初、静的に安定していると考えられていた氷床の内部は、意外なほど流動的だったのだ。氷河の動きは、数年以内に基地を崩壊させると推測されたほどで、実際に原子炉建屋の天井が1962年に崩落し、炉の撤去を余儀なくされた。そして、アメリカは1966年までに基地を閉鎖したのである。

 しかし、ほどなくしてキャンプ・センチュリーには隠された目的があったとの噂が、密かに語られ始めた。

(続く)

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