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週刊少年ジャンプ39号が『こち亀』連載終了の誤解生む

 5日発売の『週刊少年ジャンプ』39号によって、秋本治の長寿漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が連載終了になるとの誤解が広がり、話題になった。単なる早とちりによる誤解と判明したが、「こち亀連載終了」がtwitterのトレンド・ワードになるほど広がり、長寿作品への関心の高さを示した。

 『こち亀』の略称で親しまれる『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は1976年から連載開始されたジャンプの最長寿作品である。アニメ化や香取慎吾(SMAP)主演による実写ドラマ・映画化もされた。作品の主要舞台である葛飾区の亀有には主人公・両津勘吉ら登場人物の銅像も建てられるほど社会的に認知された作品になっている。

 連載終了の誤解の発端はジャンプに掲載された作者の巻末コメントである。「JC初版限定特別仕様の最終巻は12月発売です」との文章が「連載が終了し、12月に最終巻が発売される」との早とちりを生んだ。

 実際は単行本(ジャンプコミックス=JC)の初版限定版の発売が12月に刊行される177巻で最後になるという意味である。173巻から177巻までは連載35周年特別企画と銘打って初版限定版には付録がついている。たとえば173巻は『遊戯王』風の特製カードが付録になっている。その付録の企画が177巻で終了するということである。

 巻末コメントは単行本の購入層にとっては誤解の余地のない文章である。しかし、単行本を購入するほどではないが、『こち亀』に関心のある層は「初版限定特別仕様」の意味を理解せず、「最終巻=連載終了」と解釈しかねない。近時はコミックス派が増加し、雑誌の勢いが以前ほど減少しているが、「こち亀連載終了」の誤報の広まりは、『こち亀』ファン層の幅広さを再確認させた。

 もともと文字数が限定されている巻末コメントは意味深な文章になりやすい。前々号の37号の巻末コメントでは『BLEACH-ブリーチ-』作者の久保帯人が「もうちょっとの間、一護達をよろしくです」と書き、連載打ち切りが決定したのではないかと話題になった。

 同じく37号の『めだかボックス』原作者の西尾維新の巻末コメントには「まさか全委員長が出揃う日が来ようとは…。感無量というか、皆様のおかげです」とある。これは全委員長が出揃う前に作品が打ち切りになる可能性があったことを匂わせる。

 『こち亀』連載終了は誤解であったが、作者の本音が垣間見られる巻末コメントは要注目である。

(林田力)

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