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天皇賞・秋 伊藤雄元調教師が3強を診断 ダイワスカーレットが勝つ

 きょう30日午後に枠順が確定する「第138回天皇賞・秋」(GI、東京芝2000メートル、11月2日)。下馬評ではウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイの巴戦の様相を呈しているが、あっさり3頭で決着してしまうのだろうか。いやいや競馬はそんな簡単なものではない。1997年の勝ち馬エアグルーヴをはじめ、これまで数多くの名牝を手掛けてきた栗東の名伯楽・伊藤雄ニ元調教師が、3強をブッタ斬った。

 今回が5度目の対決となるウオッカVSダイワスカーレット。この女傑2頭に対する評価は白黒ハッキリと分かれた。
 まず、危険なのはウオッカ。伊藤雄元調教師は毎日王冠の内容に疑問の声を上げる。
 「どうも(武)豊ちゃんとの相性が良くない気がするんや。馬との当たりが良くないのか、前走でも怒って走っている。だからハナに行ってしまったんや。一度、あんな競馬をしてしまうと馬がその気になってしまう。今回も同じことが起こる可能性は高いで」

 折り合っての逃げではなく、鞍上とケンカしながらの先行策。常識的に考えて苦戦必至…それが御大のジャッジだ。「大外枠に入って他馬が行ってくれるような形になればええけど…おそらくハナに立つ。そうなれば厳しいだろう」と分析する。

 対照的にグッドはダイワスカーレット。同馬の母スカーレットブーケは1990〜92年まで伊藤雄厩舎に所属していた、ゆかりのある一族でもある。
 「お母さんもそうやったけど、この血統は短距離のスピード馬が圧倒的に多い。だから中距離戦は決して得意やない。それでもGIを勝っているのは能力が他馬よりズバ抜けているから。この馬はスピードに満ちあふれている」
 距離の壁を超越する規格外のスピード…それがスカーレットに対するジャッジだ。休養明けでのGI挑戦に対しても、「時間をこれだけかけてきっちりやれば、まず牝馬は仕上がる。十分なケイコ量やと思うで」とプッシュした。

 また3強のもう一頭、ディープスカイに関しては△程度の評価が妥当という。
 「後ろから決めて乗る四位との相性がここまではええ形で出とる。ただ、これまでと同じように外を回す競馬で古馬相手に通用するのか。鞍上の立ち回りに注目やな」
 そもそも今年の3歳馬はレベルを疑問視する声があるのも確か。参考までにディープが制したダービーの勝ち時計は89年からの20年間、良馬場で行われたレースの中で3番目に遅いものだった。

 話を総合すると、3強のうち2頭は馬群に沈んでも不思議はないというのが結論だ。今春のダービー特集で語ってもらった際にも、「ディープスカイで仕方ないやろ」と勝ち馬をズバリと言い当てた元調教師。近年はコンスタントに実力馬が人気に応えている秋天だが、今年は府中の二千に住むという魔物がキバをむくかもしれない。

<プロフィール>
 伊藤雄二(いとう・ゆうじ) 1937年1月14日生まれ、大阪府出身。見習騎手(55年=阪神・伊藤正四郎厩舎)、騎手(59年=阪神・伊藤正四郎厩舎→阪神・坪重兵衛厩舎)を経て66年に調教師免許を取得。栗東トレセンで開業。2007年の引退までにJRA通算1155勝、うち重賞はGI(級)12勝を含め、77勝を挙げた。

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