「事の始まりは昨年11月14日、同市松下町のマンションのゴミ収集場からプラスチック製コンテナ2個の盗難でした。その後も、阪急甲陽線沿線を中心に被害が相次ぎ、これまでに消えたコンテナは201個にも上るのです」(地元記者)
コンテナは折りたたみ式で、価格は1個1242円。市が各地域に貸し出し、空き缶やペットボトルの回収用に使われている。
「当初は市や住民も、誰かが間違えて持ち帰ったぐらいにしか考えていなかったようですが、さすがに市が被害届を出し、西宮署が窃盗事件として捜査を始めたのです」(同)
それにしても、誰が何の目的で持ち去ったのか。
「皆目見当がつきません。転売しようにも“西宮市”と印刷されているし、金属製でもないから売れませんよ。保管するにしても、201個だと折りたたんでも相当なスペースが必要になる。まったくの謎です」(西宮市環境事業部の関係者)
住民の間でも様々な憶測が飛び交う中、特に被害が集中する阪急苦楽園口駅近くの住民はこう語る。
「ここら辺の阪急甲陽線沿線は、西宮市内でも指折りの高級住宅地なんです。だから、何らかの事情でここに住めなくなった人がやったとか、金持ちへの嫌がらせなんて話も出ている。ゴミ収集方法への反対の意思表示という見方もありますが、それにしても規模が大きすぎる。持ち運ぶのも大変ですからね。ほかに考えられるのは、フェチぐらいですか」
確かに世の中、変わったフェチの人はいる。2月2日には岐阜県在住の新聞配達員の男(69)が窃盗容疑で逮捕されているが、盗んでいたのは証明写真機のカーテン約100枚。容疑者の母親曰く、「以前からツルツルした布が好きで集めていた」というが…。
「苦楽園口駅周辺では、すでに住民と市がゴミ収集場周辺のパトロールを行っていますが、被害は苦楽園口駅一帯から南側の大阪湾の方に広がる気配を見せている。ここまで話題になり始めると、怖いのは模倣犯が増えること。バカなことはもうやめてもらいたい」(周辺住民)
動機が不明で、リサイクル業者も「あんなもの売れないのに…」と首をかしげるが、不気味なのはコンテナが201個も盗まれたというのに防犯カメラに映像が無く、目撃者がまったくいないことだ。まさにミステリーと言わざるを得ない。