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ウィズコロナが生んだノアとDDTの経営統合劇、合言葉は「業界ナンバーワン」

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ノア、DDT経営統合会見

 共にサイバーエージェント傘下のプロレス団体、DDTプロレスリングとプロレスリング・ノアが7月27日、渋谷区のサイバーエージェント本社で合同の記者会見を行い、株式会社DDTプロレスリング、ノア・グローバルエンタテインメント株式会社、株式会社DDTフーズの3社が9月1日付で経営統合し、サイバーエージェント傘下のプロレス事業子会社、「株式会社CyberFight(サイバーファイト)」として始動することを電撃発表した。

 代表取締役社長には現在、両団体の社長を兼務する高木規(リングネーム・高木三四郎)が、取締役副社長には、丸藤正道(現ノア副社長)と西垣彰人(リングネーム・彰人)が就任。山内隆裕氏、武田有弘氏(現ノア執行役員)が取締役を務める。

 高木社長は「DDTは17年9月にサーバーエージェントグループになりまして、今年1月から新たにノアも加わりました。年明けから両団体とも好調な状態が続いていましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、両団体とも大きなダメージを受けることになりました。今もなお、コロナウイルスの脅威が予断を許さない状況が続いています。現状を乗り越えて、アフターコロナ、ウィズコロナ時代に、しっかりアクセルを踏み込んでいけるように、経営統合によって会社組織を盤石にする考えに至りました」と説明。

 「現状は3社分の会社管理コストが発生している状態にあります。経営統合することによって、この部分を一本化して、コスト効率化を図ります。スタッフ部門も適材適所に配置することで、経営基盤を強化していきます。そして、三本の矢の教えの通り、3社が結束することで、時代の変化に対応できるよう強固な経営基盤をつくり上げてまいります」とした。

 「ここが一番重要ですけど」と続けた高木社長は「今後各団体は事業部という形で運営してまいります。ノア事業部、DDT事業部といった事業部ごとに切磋琢磨してまいります。これによって団体がなくなってしまったり、今までのカラーが変わってしまうことはございませんので、ご安心ください」とノア、DDTのブランドは残していくと強調。

 「新会社の役員人事以外は、各団体、ブランド、現場の体制やリング上につきましては、一切変更ありませんので、ファンの皆さまにはご安心していただきたい」と呼び掛けた。「サイバーファイトはサイバーエージェントグループの一員として、グループシナジーを最大限に活用し、動画配信サービス『WRESTLEUNIVERSE』や通販サイトを拡充させ、プロレスビジネスのオンライン化を促進してまいります。また、将来的には東京ドーム大会の開催実現を目指していきたい。目標はプロレス業界ナンバー1です。新日本プロレスを追い抜き、プロレス界の組織図を必ずや塗る替えることをお約束します」とブランドを維持しつつ業界の勢力図を変えていくと意気込んだ。

 丸藤副社長は「こういうことをすることによってプロレスラー、いろんな団体、フリーの選手のお手本になるような、そういう行動をしていければなと思います。やはりファンの人たちの中には、いろいろ思う方もいると思うんですけど、ボクたちプロレスリング・ノアというものは一切変わりませんし、今後もホンモノのプロレスをしっかり引き続き見せていきたいと思います」と力を込めた。「この会社がボクたちをさらに引き上げ、DDTさんを引き上げ、プロレス界ナンバー1に必ず行けると信じています」と続けた。

 武田取締役は「引き続き、このプロレスという素晴らしいビジネスに関われることに非常に感謝しております。今までDDT、ノアともに個々の力でやってきたイメージが強いですが、統合ということでより組織力を強化していき、高木社長をサポートして、今よりさらに大きなビジネスをつくっていきたいと思いますので、皆さまなにとぞ引き続きよろしくお願いします」とあいさつした。

 高木社長によると、経営統合を考え始めたきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だそう。統合を考え始めた時期については、「具体的にはやっぱり、4月がDDTもノアも東京女子プロレスもガンバレ☆プロレスも興行を全く行えませんでした。4月後半ぐらいですかね。5月ぐらいに関係各所の話だったり、内部調整だったりとか、これぐらいのタイミングになったんですけど、もうこれは正直もう『ウィズコロナ』と今言われてはいますけど、共生していくしかないのかな、共存していくしかないのかなと思っております」と説明。ウィズコロナが生んだ統合劇と言ってもいいだろう。

 会見には各団体の主力選手も出席した。東京女子プロレスの坂崎ユカは「東京女子プロレスといたしましては、今回会社、企業が大きくなるということなんですけども、今まで通り、東京女子プロレスは東京女子プロレスらしく、マイペースに盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします」とコメント。

 ノアの中嶋勝彦は「今回のこういった変化があった。これまでも、変化はあった。でも、サイバーの傘下になってから、プロレスリング・ノアは、その変化を進化に変えてきたと思っている。きっと今回もそうだ。だから、ノア(を)はじめサイバー、そしてサイバーファイトが、この業界のナンバー1になる。その日を夢見て、またオレたちは一歩を踏み出すよ。だから、ホーミーズ、変わらずにオレたちについてきてくれ。よろしく」とした。

 潮崎豪は「今回会社統合というこういう形になりまして、ご尽力いただいた皆さまには感謝しております。そして、GHCヘビー級チャンピオンとして、ノア、そして、このプロレス界をさらに上に引き上げて、業界1位を夢見て突き進んでいきたいと思います。よろしくお願いします」と語った。
 「DDTの秋山準です」と切り出した秋山は「高木社長もおっしゃいましたように、新日本に追い付け、追い越す。その力の一つとなり頑張っていきたい」と誓った。

 同じくDDTの遠藤哲哉は「高木社長はことあるごとに、これはチャンスだという言葉を言っております。自分としてもこれはチャンスだと思っているんですが、このチャンスをモノにするのは、選手個人個人の働きだと思っております。このプロレスというコンテンツ全体をもっと、大きなものにするために、今後活動していきたいと思っております」とコンテンツの拡大を見据えている。

 クリス・ブルックスは「今回世界的にかつて経験したことがないようなパンデミックの中で、レスリングが生き残るのは難しい状況でありますけど、こうしてノアとDDTが経営の面で一緒になることは、WRESTLEUNIVERSEでたくさんの人が、世界中で視聴できるチャンスが広がっているし、プロレスを日本で続けることはチャンスが広がることだと思っています」と外国人らしいコメントを見せた。

 最後にガンバレ☆プロレスの大家健が「ガンバレ☆プロレスというのは吹けば飛ぶような小さな団体ですが、もともと私一人でプロレスをメジャースポーツにするために旗揚げした団体でございます。同じ会社の団体、どれも大きいです。だからといって、オレは負けてるわけにいかない。いや、他団体だけじゃなく、ほかのスポーツですよね。野球、サッカーよりも、私はやっぱりプロレスが一番すごいと思って、プロレスをやってきております。こんなコロナの状況下で、我々、世界中のみんなが大変なことになっていますが、我々がプロレスをすることで、皆さんに明日への希望、勇気を与えることができるんじゃないかと信じています。だからこそ、団体の大きさは関係なく、リング上で自分たちの闘いを見せていければと思っております。会社が変わっても、会社が大きくなっても、リング上でやることは変わりません。我々みんな頑張っていきます」と熱く語り尽くした。

 新会社の目標であり合言葉は「業界ナンバーワン」。新日本に追い付き追い越すムーブメントを築くために、今回の統合は成功させなければならない。

(どら増田)

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