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キャバ嬢が生まれる瞬間(29)〜情報を得るためにキャバ嬢になった女〜

 笹野亜美(仮名・24歳)

 私は元々、高校の頃から女性コラムニストに憧れていた。菊池美佳子さんや犬山紙子さんのような男と女の確信をズバっと突くような恋愛コラムとか、世の中の芸能人やイベントを少し皮肉りながら笑いへと転換させる辛酸なめ子さんとかも好きで、昔はサイン会に足を運び、2ショット写真を撮ってもらったりしたこともあった。その写真は今でも宝物。

 それで私は東京でコラムニストになるんだという夢を持って20歳の時に上京した。東京は遊ぶ場所や恋愛が溢れていてなんでも手に入る自由な場所だと思ってた。でも現実は全然違ったっていうか、とりあえず家賃を払うために、駅前の牛丼屋で働きはじめたんだけど、毎日がただ自宅と牛丼屋の往復だけ。私の思い描いていた東京生活はこんなはずじゃなかった。女性ファッション誌で連載出来るような女性コラムニストになって、たまにパーティーなんかに参加したりする生活を思い描いていたのに、毎日、ご飯の上にお肉を乗せているだけでいつの間にか1年が経過してた。

 そもそも私は上京したものの、どんな方法を取ったらコラムニストになれるのかすらわからなかった。でもこのまま普通にバイトしてる場合じゃない、とにかく接客業じゃなくて、少しでも文章に関わる仕事をしなきゃって思った。

 それから私はネットの求人サイトで、ライター募集の記事を見つけて即応募した。そこは芸能ニュースを扱う編集ブロダクションだった。芸能界のことなんて、テレビや雑誌を少し見る程度でしか知らない。どうしようと考えた時、自分が知らないなら人から聞けばいいんじゃないかと。

 例えばキャバクラなら有名企業の社長さんも多く来店するから、その人に裏話とかを聞いて 就職に役に立たせる学生がいるってのを聞いたことがある。会社の社長が来るなら、業界関係者もたくさん来るはず。その人たちから聞いた情報を記事にしていこうと思ったんだよね。だから私はキャバ嬢になった。張り込みや自分の足で取材するのは大変だけど、ここには毎晩リアルタイムで業界の裏側を知る男達の情報が入ってくる。まあそんなわけで今は芸能ライターだけど、いつかとんでもないスクープをモノにして、名を売った後、最終的に有名コラムニストになってみせます。

(取材/構成・篠田エレナ)

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