ミステリー 2023年07月04日 22時05分
「おぐらが斬る!」宇宙からやってきた? 謎すぎる世界最古の文明を興したシュメール人
今から5000年前の紀元前3000年代、チグリス川とユーフラテス川の間のメソポタミアと呼ばれた地域、現在でいうとイラクあたりに突如現れ、世界最古の文明を築き、そして消滅した謎の民族がいる。それがシュメール人だ。このシュメール人の文化は、なんと21世紀の現在にも大きな影響を与えている。例えば60進法だ。「60進法? そんなの俺たちに関係ないよ」というなかれ。1分間は60秒、1時間は60分として我々は時間を利用している。世界最古の文明でありながら、いきなりそんな数字の使い方を発明したのがシュメール人だ。我々は7日を1週間として利用しているが、それも最初はシュメール人。月の満ち欠けは28日周期、月の状態を新月、満月、上弦、下弦と4つで割ると7日間、それを1週間としたのもシュメール人。シュメール人が作った物語を、あなたも知っているはずだといえば「?」だろう。しかし旧約聖書に出てくる「ノアの大洪水」や「ソドムとゴモラ」の話はこの時代の物語がモデルだという説がある。他にもやはり旧約聖書に出てくる「バベルの塔」は、シュメール文明で多く建てられた建造物ジッグラトではないかと考えられている。かくのごとく世界最古の文明にあった神話や物語が、21世紀の現代まで知られているとは、驚異的なことだ。そんな現代に繋がる文明を興したシュメール人だが、どこからやってきたのかはよくわかっていない。シュメール人たちの言語は、メソポタミアに住む土着の民族とまったく違う言語系統であったことがわかっている。つまり彼らは他の言語系統の土地から、メソポタミアにやってきて、いきなり世界最初の大規模な灌漑設備を作り、文字を発明し、前述した暦を作り農業生産力を向上させ、パンやチーズ、ビールを作り、文学作品など芸術まで作って現在に残している。文学作品にはいまでいう『学園もの』まであるというから驚きだ。どこからかやってきた民族が、いきなり現代にも通じる世界最初の文明を興したというのは謎すぎる。それゆえに「宇宙人がやってきて文明を興した」とかいう人もいるくらいだ。遺跡や石像に描かれたシュメール人は、みな目が異様に大きく「宇宙人っぽい」のだ。そういえば天皇のことを「すめらみこと」というが、第二次大戦の頃、「シュメール人とは、『シュメルのみこと』である。つまり天皇の一族である」という都市伝説が流行ったとか。そういった都市伝説が出て来ても全然おかしくないシュメール人だが、彼らはメソポタミア文明の初期を担いながら、その後のメソポタミア文明の主力となる他民族に吸収されたのか、あるいはどこかに去ったのかいなくなってしまった。もしかしたら宇宙のどこかにいまでも・・・プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。