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2016年に大震災再び…三重県沖地震は前兆現象?

 何人もの予言者たちが2014〜2018年の「南海トラフ巨大地震」を警告している。
 スワッ、巨大地震かもしれない! 和歌山県田辺市に釣りに訪れていた三重県津市在住の男性はその時、荷物もそのままに大慌てで岸から離れたという。
 南海トラフの巨大地震が起きると仮定すると、最大で死者32万3千人〜33万人、倒壊家屋238万6千棟。この死者数は東日本大震災の20倍近い数字で、2003年の被害想定の13倍。2004年スマトラ島沖地震の死者・行方不明者数の約28万人を上回り、近年の災害史上最悪の大惨事となる。ただし、これは東日本大震災の発生を踏まえて想定された、千年に一度起きるかどうかというM9クラスの地震が発生するという最悪の事態を想定した場合のものだ。

 4月1日午前11時39分ごろ、三重県南東沖を震源とするM6.1の地震が発生。これにより和歌山県古座川町で震度4、ほか近畿・東海地方の広い範囲で震度3の揺れを観測した。
 この日は新年度のスタート。企業や官公庁では入社式や入庁式を実施していたが、緊急地震速報とほぼ同時に発生した大きな横揺れで、一時中断したところもある。もし、巨大地震があった場合、和歌山県内には約5分以内に津波が到達すると予測されていたため、県や各市町村には問い合わせが相次いだという。冒頭の男性のように、南海トラフ巨大地震が頭をよぎった人も少なくない。
 「今回の地震は陸側のプレートに海側のプレートが沈み込む境界で起きたものです。震源域は72年前に発生した東南海地震(M7.9)のやや南側にあたる。そのため注視しておく必要があります」(サイエンスライター)

 南海トラフ巨大地震については、今後、特に内陸部を震源とした地震が発生した場合が最も怖いという。
 武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏が言う。
 「発生した揺れが巨大地震の前兆現象か、普通の地震か、それを区別して認識するのは今の地震学では非常に難しい。ただし、内陸部の地震が頻発して、その後、巨大な海溝型地震が発生するというパターンは多くあるのです」

 歴史を紐解けば、前述の通り1944年に東南海地震、その2年後には南海地震(M8.0)が発生し大きな被害をもたらしているが、これらの地震の前後には、'43年9月の鳥取地震(M7.2)、'45年1月の三河地震(M6.6)など西日本で震源の浅い直下型地震がたびたび起きている。東南海地震については4カ月前、震源近くの三重県尾鷲市付近で小規模な群発地震活動が起こり始めたという記録もあるのだ。
 「'25年にまでさかのぼれば北但馬地震が発生しており、それも含め内陸地震は巨大な海溝型地震の前触れと見ることもできる。南海トラフの巨大地震は数年先、10年先かもしれませんが、もし発生すれば'95年の阪神・淡路大震災(M7.3)さえもその前兆現象と取ることができるのです」(前出・島村氏)

 発生した地震が“引き金”にならないことを祈るばかりだ。

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