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悪霊から身を守る! 「早九字護身法」

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画像はイメージです。

 これは、愛知県名古屋市在住のTさんの体験談だ。

 Tさんの姪にあたるIちゃんは今年で小学1年生になる女の子である。Iちゃんは怖がりのクセに心霊特集や本当にあった怖い話などが大好きであった。
 ある日曜日の午後、IちゃんはTさんの家でビデオを観ていた。もちろん、怪奇特集のビデオである。IちゃんはTさんの背後に隠れ、布団に包まりながら、恐々と観ていた。全て観終わるとIちゃんは「何か驚くことが起こるかもしれない」と、隣の部屋にも行けない様子だった。しかも、まだ明るく、家も隣なのに「帰りは送っていってね」と言い出した。そこで、Tさんは、お化けからから身を守る簡単なおまじないを教えてあげた。
 まず、右手をジャンケンのチョキにし、人差し指と中指をくっつけて刀印(とういん)の形を作り「りん、びょう、とう、しゃ、かい、じん、れつ、ざい、ぜん」という九字を唱えながら、右手で四縦五横と、交互に格子模様を空中を切り付けるものだ。Iちゃんは2〜3回練習しみた。そして、Tさんはこのおまじないが載っていた本を見せ、ひらがなで図表にして、分かり易くメモに書いてあげた。するとIちゃんは、メモを鷲掴みにすると「ママに見せてくる!」と、何事も無かったかのように帰って行った。

 このおまじないは、悪運・悪霊・邪気などを祓い、魔から身を守る方法の一つで、修験道の『早九字護身法』である。その様子から「九字を切る」とも呼ばれている。
 ここでいう刀印とは、右手の人差し指と中指を真っ直ぐ伸ばし、小指と薬指を曲げて親指で二指を押さえた状態のことである。正式な早九字護身法のやり方では、九字を切る前に左手の親指、薬指、小指で作った穴に、刀印である右手の人差し指と中指を差し込んだ状態にし、右手を刀に、左手を鞘に見立てる。その時容態のまま、不動明王の慈救呪(じゅきゅうじゅ)を三回唱える。
 次に、刀印を鞘から抜き、左手は鞘の状態のまま腰に当てる。「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前」と九字を唱えつつ、右手の刀印で、四縦五横に空中を切り付ける。
 最後に、右手の刀印を左手の鞘に収めて、印を解く。
 このように、早九字護身法は、刀印で邪悪を切り裂き、または空に描かれた格子模様による結界を張って邪悪の侵入を防ぐとされる。その簡便性から、臨時の精神集中や厄除けの手段として武士や忍者にも広く用いられていたという。
 あなたもIちゃんのように、急にいわれのない恐怖に襲われたら…この『早九字護身法』を試してみるのも良いかもしれない。

(皆月 斜 山口敏太郎事務所)

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