機材と元ネタさえあれば、そして摘発覚悟の上ならば、誰でも簡単に商売できるという手軽さ。そして「暴力団とつながっていなければ、薬物と違って警察も見て見ぬふり」という誤った情報のせいもあり、一時は周辺で十数店が営業するという盛況ぶりだった。
しかし、昨年の秋ごろから外国人観光客への影響や大阪万博、IR誘致をニラんだ大浄化作戦が発動され、店は根絶やし。今度こそ息の根を止められたとみられていたが、わずか3カ月の空白を経て、またもや復活しているという。
そこで事実を確かめるべく、現地へ行ってみた。
すると、ある雑居ビルの入り口奥に「DVD」の看板を発見。やはり復活していたのだ。店内に入ると、男性ばかり十数人が、熱いまなざしで商品カタログに見入っている。以前はパッケージ展示だったが、現在はカタログ。どうやら摘発を意識しての対策らしい。
価格は10枚3000円からと以前と変わらない。営業時間は土日の夜間限定。これで1日数十万の売り上げとみられている。店の関係者によれば「摘発は覚悟の上」「新作は少ない」というから、コロナ騒動の隙間を狙った、在庫一掃の確信犯のようだ。
それにしても、裏モノがネットにあふれているこの時代に、なぜDVDなのか?
「世間にはネットの使い方が分からない中高年が、まだたくさんいます。そんな人にはやはり、ネットよりDVDなんですよ」(同・関係者)
愛好家には朗報だが、気になるのは警察。業者とのイタチごっこはまだまだ続きそうだ。