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てるみくらぶ破産騒動にほくそ笑む大手旅行代理店

 東京地裁より破産手続き開始決定を受けた、格安旅行会社『てるみくらぶ』(東京・渋谷区)の倒産は、約9万人に上る利用客を巻き込んだ大騒動となり、業界に大きな爪跡を残した。

 トラブル発覚のきっかけは3月24日、「ツアー航空券の一部が発券できなくなった」旨を旅行客に一方的に通知、さらに一部のツアー催行を中止したことの表面化だった。出国を楽しみに空港に向かったツアー客の中には「航空券がキャンセルされているので飛行機に乗せられない」と航空会社から説明を受け、帰宅を余儀なくされた人もあったという。さらに悲惨なのは、当日、海外に滞在中だった約3000名の旅行者。てるみくらぶは顧客から前受金として旅行代金を預かっていたにもかかわらず、ホテルや航空券の代金を支払っていなかった。
 「トラブルの前日まで『現金一括入金キャンペーン』とうたった新聞広告を掲載するなど、詐欺同然の悪質な手口で金集めをしていました」(全国紙社会部記者)

 破格の料金を呼び水として現金を振り込ませ、計画倒産した可能性は否めない。
 「てるみくらぶはインターネット販売を主体に事業を拡大し、ハワイ、グアム、サイパン、台湾、韓国の格安パッケージツアーで業務を拡大。広告を大量出稿して“激安旅行会社”としての認知を高めてきましたが、内実は火の車。数年前から粉飾していたのは間違いないでしょう」(銀行関係者)

 今回の騒動を受けて笑いが止まらないのが、JTBなどの大手旅行代理店だ。ここ数年でネットを専門とした小規模な旅行代理店の新規参入が相次いだほか、価格比較サイトや旅行予約サイトの普及が安値競争に拍車をかけていたからだ。
 「てるみくらぶの倒産によって、申し込みが急増しています。ツアー比較サイトの中には、個人でやっているような怪しげな業者も紛れていますから、旅行者が中小・零細規模の代理店を避ける風潮は加速すると思います」(大手旅行代理店)

 “安さ”が悪となるのは庶民にはつらい話だが、多額の代償を支払う羽目になっては元も子もない。

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