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大相撲八百長問題は見切り処分へ 本場所再開へ前進

 大相撲の八百長問題を調査する特別調査委員会が、3月25日、会合を開き、八百長に関与したと認定した力士・親方の処分案を大筋でまとめた。4月1日の次回会合で細部を煮詰め、その内容を踏まえた上で、同日に開かれる日本相撲協会の臨時理事会で処分が決定する。

 世間を騒がせた八百長問題は、なんともすっきりしない幕引きへと向かいそうだ。調査委員会では14人の疑惑力士・親方を始め、全関取、一部の関取経験者を対象に、聞き取り調査を行ってきた。しかし、関与を認めたのは元前頭・春日錦の竹縄親方(春日野)、千代白鵬(九重)、仲介役と見られる恵那司(入間川)の3人だけ。関与と認定された清瀬海(北の湖)を始め、他の力士らは八百長関与を否定し続けた。

 唯一の物証となり得る携帯電話は、なかなか提出協力が得られず、解析に出されたのはわずか2台。その解析結果が出るのは、4月半ばとなるが、その結果を待たずに処分が下されることになる。参考とされるのは、警察が野球賭博事件で捜査した竹縄親方、千代白鵬の携帯メールの内容と、聞き取り調査の結果のみという根拠がぜい弱なもの。調査委員会の伊藤滋座長は、「たった2台の携帯電話で分かるわけがない。(調査の達成度は)0%。カネをたくさんもらい、1年くらい調査し、警察のような捜査権があればもっとやれた。やれないところで最大限の努力はした」と半ばお手上げ発言。物証がほとんどないことで、処分された力士から訴訟を起こされる可能性も秘めているが、伊藤座長はそれも覚悟の上。

 処分を受けるのは20人前後と見られ、処分内容は除名、解雇、出場停止などに分かれる。正直に調査に協力した者には処分の軽減も考慮され、非協力的でクロ認定された者には重い処分が科せられる見通しで、関与力士らの師匠は監督責任を問われる。

 放駒理事長は本場所再開の条件として、調査、処分、再発防止策の3点を挙げていた。30日には八百長再発防止策をまとめる大相撲新生委員会が予定されており、4月1日の処分決定で、その3点をクリアすることになる。すでに、内外からは本場所再開を要望する声も上がっている。

 日本中を大騒ぎに巻き込んだ八百長問題は、極めてグレーな決着で本場所再開へと進むことになりそうだ。
(ジャーナリスト/落合一郎)

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