冒頭、艶やかな着物姿でステージに登場した岩佐。ファンの歓声を受けるとのっけから元気いっぱい。「初酒」「鞆の浦慕情」などを次々と披露した後、「いよいよ、今日を迎えることができました。自分の夢でもあった初めてのソロコンサート。スタッフさん、ファンのみなさんのおかげ。本当にありがとうございます!」と深々と頭を下げたが、その後は歓喜の涙。ファンの声に「あんまり言わないで、泣いちゃうから」と声を詰まらせた。
中盤以後は派手な三味線の音に乗せ、「フライングゲット」から始まる壮大な演歌バージョンのAKB48メドレーを披露。「津軽海峡・冬景色」「赤いスイートピー」など昭和の名曲に続いて、「涙そうそう」「なごり雪」ではギターの弾き語りにも挑戦。ファンとの「写真撮影タイム!」では「東京ブギウギ」で3階席、「恋する夏の日」で2階席、「東京のバスガール」「ブルーライトヨコハマ」「瀬戸の花嫁」で1階席の客席を練り歩いて歌うなどファンとも積極的に交流した。
会場が大盛り上がりを見せる中、AKB48グループの同僚たちからのビデオメッセージも紹介され、渡辺麻友(AKB48)、浦野一美、多田愛佳(HKT48)、菊地あやか、仲川遥香(JKT48)らが次々に岩佐にエールを送った。また、終盤に差し掛かると、スペシャルゲストとして元AKB48の松井咲子(岩佐の同期で現役音大生)も岩佐の姉の手作りだというバースデーケーキを手に登場。この日が21歳の誕生日だった岩佐を祝福。松井のピアノ伴奏による「履物と傘の物語」「翼をください」も披露され、岩佐を「幸せです」と感激させた。
最後は突然の卒業発表で会場をどよめかせた岩佐。「演歌の道、一本でやっていきたいという意思が演歌を歌わせていただくたびに強くなってきた」と卒業理由を明かすと、「AKBをやめてからが本当のスタートライン。これからも応援してください」と改めてファンに呼びかけていた。
(取材・文:名鹿祥史)