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【TVでおなじみ山口敏太郎の実録“怪”事件簿】〜転がってくるもの〜

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 千葉県を走る道路、袖ヶ浦姉崎線には急斜面の林の横を通る場所がある。大雨になると土砂崩れがよく起こる危険な場所である。

ここでは奇妙な怪談が囁かれている。

今から20年近く前の事、台風によって起こった土砂崩れから女性のバラバラ遺体が発見された。バラバラにされて埋められていたのだ。

警察の捜査の結果、被害者は女性で、恋愛のもつれによる事件ではないかという事であった。警察によって全身のパーツがくまなく発見されたが、何故かどうしても左の手首だけが見つからなかった。

遺体発見から数か月後の雨がしとしと降る深夜、ある会社員が会社帰りにこの辺りを走行していた。

「くそ〜遅くなったな、早く家に帰ってシャワーでも浴びたいな」

雨足はかなり強い。フロントガラスにも大粒の雨が叩きつけられてくる。

「嫌だな、土砂崩れなんか起きないだろうな」

会社員は不安げに山を削って作られた道路を見つめた。すると、斜面から肌色で円筒形の形のものがコロコロと転がって落ちてくる。

「…ん!!?何だ、あれは」

男は危ないと思って急ブレーキを踏んだが、結局間に合わなかった。

「グシャッ」

という妙な音と同時に車は止まった。

「おかしいな、落石じゃないようだし…一体何を踏んだのかな?」

そう思っていると、突如、ずぶ濡れの女性が現れ車の窓を叩いた。

「ドンドン、ドンドン」

「なっ、なんですか」

車の窓を開けると、女はずぶ濡れの右手で会社員の襟首をつかみ、こう言った。

「私の左手…返して」

ふと女の左手を見ると…手首が無かったという。

(監修:山口敏太郎事務所)

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