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「10年に1度」ではなくなった秋の巨大台風連発で起きる“想定外”の危機

 日本列島に大きな爪痕を残した台風26号。全国で死者行方不明者は59人(10月18日時点)に達しているが、直後には27号が発生し、こちらも猛烈な勢力を保ち日本列島を脅かしている。26号が襲った際、「10年に一度の強さ」とされたが、「気候変動、異常気象によってその状況は崩されている」(サイエンス記者)という見方もある。
 「'09年、すでに名古屋大と気象研究所(茨城県つくば市)が、温暖化により今世紀後半には風速80メートル(26号は最大瞬間風速75メートル)に達する『スーパー台風』が日本列島を襲う可能性が高いことを示唆している。その場合、乗用車や木造家屋は吹き飛んでしまう。高潮により、造りが貧弱な堤防が破壊された場合、被害は計り知れません」(同)

 連続する巨大台風の場合、地盤崩壊の恐れもある。
 「26号が大島に甚大な被害をもたらした原因は豪雨でした。続いていた大雨で地盤が緩み火山灰が流されたのです。一方、高度成長期に山を切り崩して宅地造成した地域、例えば東京の多摩地域には、切り崩した土砂を盛り土にして建てられた一戸建てが多数ある。同じように地盤が緩めば、起伏のある場所に建っている住宅は家ごと流されてしまう可能性があるため、警戒が必要です」(防災に詳しいジャーナリストの村上和巳氏)

 自分の家が建っている場所は、もともとどんな土地だったのか。一戸建てに住んでいる人は役所に出掛けるなどして調べてみる必要がある。
 「特に昔、沢が流れていた場所を埋め立て住宅を建設してしまったような地域も、地滑りで流される危険がある。また最近は、3階建ての建売住宅で玄関部分が道路より下になっている物件が少なくない。その場合、道路が冠水した際に鉄砲水が入ってくる可能性もあるので、各世帯で土嚢くらいは準備し、即玄関前に積み上げられる準備はしておいた方がいい」(同)

 気象庁の「特別警報」をアテにするより、まず自己対策だ。

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