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ビール業界が警戒 焼酎・日本酒の“乾杯推進条例”続々可決

 日本で一番売れているアルコール飲料は何か?
 最近は若者からの支持が衰えていると指摘されるが、答えはやはり『とりあえずビール』だ。そんな中、カンパイ! の最初の一杯を日本酒や焼酎にしようとする“条例”が、全国各地で成立している。ビール業界にとっては新たな強敵出現といっていい。

 先鞭をつけたのは酒どころの京都だ。今年1月に「京都市清酒の普及と推進に関する条例」を制定した。その後、石川県白山市、佐賀県鹿島市、兵庫県三木市などが名乗りを上げ、すでに全国10の自治体で制定されている。
 焼酎も負けてはいない。7月17日には宮崎県日南市の「地元本格焼酎による乾杯を推進する条例」が可決されたばかり。鹿児島県いちき串木野市でも、同様の乾杯条例が6月に制定されている。

 もちろん、これらに違反して『とりあえずビール』と注文しても、罰則があるわけではない。このような条例が次々制定される背景には、日本酒、焼酎の消費量の減少があるという。
 「国税庁の調査によると、2011年度の全国の清酒消費量は60万キロリットルで、ピークだった1975年(167万キロリットル)の4割以下に落ち込んでいます。全国的に有名な造り酒屋が集中する京都も同様です」(京都市伝統産業課)

 一方、時期を見ると意外な事実が明らかになる。1月の京都市以降、3月に入って各自治体がドッと条例制定に動いたのだ。3月とは、安倍首相がTPP参加を表明した時期である。6月に条例を施行した福島県南会津町役場はこう言う。
 「南会津の産業といえば、林業と稲作中心の農業しかありません。今後はTPP参加で米の低価格化が懸念され、『酒米』を作ることで生き残ろうということから条例を可決したのです」

 焼酎、日本酒での乾杯を奨励する理由は、どうやら迫りくる脅威TPPへの対抗策でもあるようだ。

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