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藤原紀香&クァク・ジェヨン監督 映画『更年奇的な彼女』日本公開記念インタビュー

 『猟奇的な彼女』などで知られる韓国のクァク・ジェヨン監督の最新作『更年奇的な彼女』(4月8日公開)の日本公開を記念し、ジェヨン監督が来日。本作の日本語吹替版でヒロイン、チー・ジアの声を担当する藤原紀香とともにインタビューに応じてくれた。

 ジェヨン監督の『猟奇的な彼女』『僕の彼女はサイボーグ』に続くアジア彼女シリーズ3部作の完結編として製作された本作は中国が舞台。大学時代の失恋のトラウマから、“早めの更年期”に陥ってしまった破天荒なヒロイン、チー・ジア(ジョウ・シュン)が大学時代、最も“冴えなかった男”ユアンとひょんなことから共同生活を送ることになり巻き起こす恋のドタバタ劇を、ジェヨン監督ならではのほのぼのとしたタッチで描く。

 中国で四大名旦(中国四大女優)の一人として絶大な人気を誇るジョウ・シュンが主演。韓国の人気監督とタッグを組んだ作品として中国では大きな話題を呼び、公開されるや32億円を超える大ヒットとなったが、日本語吹替版ではそのジョウ・シュンの演技に藤原紀香が声を当てる。
 
 −−まず、藤原さんとジェヨン監督は今回初対面。お互いの印象を教えてください。

 監督:お会いして、ジョウ・シュンさんとすごく似た雰囲気があると思い、びっくりしました。ジョウ・シュンさんもすごくパワフルなところがある女優さんなんですけど、藤原さんも内面にすごくパワフルなものを持っていらっしゃる方じゃないかと思いました。

 藤原:わたしのほうは、今回の映画のイメージと同じく、とても温かい雰囲気を持った方という印象を持ちました。

 −−藤原さんはこの映画の吹替を担当するにあたり、映画をご覧になられてどんな印象を持たれたのですか?

 藤原:号泣ポイントが何回もあり…。国を超えて、わたしたち日本人の心にもグッとくるラブストーリーだなと。映像も美しく、とても引き込まれる内容で、優しく温かい気持ちになれました。このご縁に感謝しましたし、声を当てさせていただければ嬉しいなと思いました。

 −−今回、ヒロインのチー・ジアの声を吹替されたわけですが、チー・ジアに対してはどんな印象だったのですか?

 藤原:もしあんな友が周りにいたら、ものすごく手がかかるし大変だろうと思いますが、やっぱり、彼女を助けたい、見守りたい、大好きだと、映画を観たあとに男女共に思えるのは、自分に正直な部分に惹かれるからだと思います。そういう人ってやっぱり周りから見ても目が離せない存在だと思うんです。かつ、彼女が成長していく姿を、観ている人も知らず知らずのうちに自分に置き換えて観てしまう。どこか欠けていて、不完全なところもある。だからこそ共感できるし、男性は守ってあげたいと思える存在なんだと思うんです。

 −−かなり破天荒で、感情の起伏の激しいキャラクター。吹替はたいへんだったのでは?

 藤原:正直、難しかった…(笑)。毎回吹替って、最高に好きで楽しい! と思うと同時に、やはり難しいなと学びもあります。今回は特にそうでしたね。チー・ジアは喜怒哀楽がとても激しくて、アフレコブースの中で私も彼女に合わせて一喜一憂。座り込んで立てなくなったり、泣いてしまったり。でも、自身が(実際に)演じるわけではなく、他の俳優さんの芝居に声を当てるわけだから、こんな表現もありだな、面白いなと学びもありました。アフレコをしながら、チー・ジアとともに泣いて笑って憂いて幸せになる、ブースの中で自身がチー・ジアを生きているような感覚でした。

 監督:本当にご苦労が多かったと思います。途中、チー・ジアがお酒を飲むシーンが出てきますが、ああいう場面はお酒を飲みながらやってもらってもよかったくらい。ジョウ・シュンさんはお酒を飲むシーンでは本当にお酒を飲んで演技をされていました。

 藤原:笑 デビュー当時はお酒に酔ったお芝居がなかなか出来なくて、1度実際にお酒を飲んで現場に出かけて行ったことがあり、そしたらマネージャーさんや監督に、それは芝居とは言わないと怒られて。たしかに、あくまでも芝居だからそこはがんばりたいなと2度としてませんが、監督はありなんですね(笑)。

 監督:わたしなら絶対怒らなかったのに(笑)。

 −−今回ヒロインを演じたジョウ・シュンさんは中国では四大女優の一人に数えられる人気女優。藤原さんの目から見て彼女の演技はどうでしたか?

 藤原:自分だったら違うお芝居をするなというところは、やはり所々にありました。お茶を飲むシーンも100人やれば100通りですからね。なので、人のお芝居を見て学ぶところは年齢関係なく、あるんですよね。今回、感情の起伏の激しい役に対してのジョウさんの表現力の豊かさ、とても好きでした。

 監督:ジョウ・シュンは演技の経験が長いというのもありますが、(要求されたものに対して)正確に感情を作ることが出来るんです。また、ここはオーバーになりすぎるなという場面でも、カメラがここにきちんとあるとか、現場のことをきっちり認識して演技をしてくれるんです。

 −−感情の起伏の激しいヒロインのチー・ジア。『猟奇的な彼女』もそうですが、そんな強い女性を監督が撮り続ける理由はなんですか? 監督自身がそういう女性をお好きなんでしょうか?

 藤原:わたしも同じことを思っていました。振り回すタイプの女性がお好きなのかなと(笑)。

 監督:振り回されるのが好きなわけはないです(笑)。でも、わたしの周りの女性を見ると、『猟奇的な彼女』を撮っていた時もそうだったんですが、やっぱり女性は根本的にそういう強いものをどこか心の中に持っていると思うんです。ただ表現するかしないかの違いだけでね。表現しない女性のほうが以前は多かったかもしれないです。でも、『猟奇的な彼女』が公開された時に「あ、あれ、わたしの話」っていう人がすごく多かったので、やっぱり大勢の女性はそういうものを心の中に隠して持っているんだなって。それをわたしが映画の中に引っ張りだしたいなって思っているんです。うちの妻や娘からもいろんなことを勉強していますよ。わたしは女家族に囲まれて生きていますので。

 −−強い女性とは対照的に、監督の作品には『猟奇的な彼女』もそうだったのですが、あきれるほどに献身的な男性も登場します。本作のユアンがそうです。藤原さんにとってそういう男性はどうですか?

 藤原:誰もがそういう男性を求めているんじゃないですか(笑)。悩める時も、病に伏している時も、あんな風に見つめ続けてくれたら女性は幸せだなと。この映画のユアンも最初は頼りなくてあまりタイプじゃないなと観ていたんですけど、最後は大好きになっていました(笑)。

 監督:普段からすごく優しくしてくれて、女性が望むことが何かを知ってすごく尽くしてくれる。隣にいる時はなかなかその良さに気付かないんですけど、離れた時にその存在に気付く。そんな男性がいますよね。わたしはそういう男性像を描くのが好きなんです。一目惚れの公式というのはあまり好きではなくて、ずっと長くいて、真心を尽くして接していくうちに、だんだん愛が大きくなっていく物語が好きなんです。完全なイケメンより、最初は冴えないけど、という男性のほうです。わたし自身がそういうコンプレックスを映画を通じて克服しているんです(笑)。

 −−なるほど。それでは藤原さんから、最後に改めて本作のPRを。

 藤原:恋をしている人、最近、恋することを忘れてしまった人などなど、男女問わず観てもらいたいです。きっと心がキュンキュンして恋をしたくなるだろうし、周りの人の優しさにも気付くことが出来る、そんな温かい気持ちになれる映画です。ぜひ大切な人、素敵な仲間とご覧になってください。

(取材・文:名鹿祥史)

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