今年上半期の模型、ホビー業界では前年の『ガールズ&パンツァー』(ガルパン)人気により戦車系プラモデルが各社で好調な売上を記録。今年下半期に入ってからは旧日本軍の艦船をモチーフにしたキャラクターが登場するブラウザゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』の記録的なヒット、10月からは、旧日本軍の艦船とキャラクターを融合させた『蒼き鋼のアルペジオ』のアニメ放送開始で、戦艦系プラモデルの躍進が期待されている。
この流れにいち早く注目した青島文化教材社(アオシマ)では、艦これや、アルペジオ関連の製品を多数展示、来場者の注目を集めた。特に艦これは、プラモデルだけではなくフィギュアやキーホルダーなどの関連グッズも同時展開予定で、それらの商品サンプルも展示されていた。この大規模展開の理由について同社の企画担当者は、「もともと社内で艦これが流行っていて、これなら(アオシマの)良さを活かせるんじゃないかと角川ゲームスさんに交渉に行きました」とコメント。原作のゲームは、当時の艦船の設定にそって作られているが、擬人化されたキャラクターとなっており、模型だけではなくホビー方面も強いアオシマが得意とする分野となっている。
また、こういったキャラクター+ミリタリー系の作品でよく見られる、作品から入って元ネタの兵器に興味もつファンを想定して、大規模な模型展開もアオシマは準備している。タミヤ、ハセガワそれにアオシマの3社で組織されている静岡模型教材協同組合に企画を持ち込み、他2社と共同して展開していた「ウォーターラインシリーズ」の艦船スケールモデルを使用し、キャラクターのイラストがあしらわれたパッケケージやネームプレート付き商品で、同作の模型展開を行う。これにより現在キット化されている模型だけで、艦これに登場する艦船の約90%が商品化可能とのことだ。さらにこの企画を機に、古くなったアオシマ製艦船スケールモデルを、できれば新しい軍事考察も取り入れた新規キットにしたいと、同企画の担当者は希望を語っていた。
今年は艦船系のプラモデルの他にも、零戦設計者の堀越二郎がモデルのスタジオジブリのアニメ映画『風立ちぬ』や、12月公開予定の零戦パイロットを題材にした岡田准一主演の映画、『永遠の0』などで、戦時中に活躍した戦闘機のプラモデルも注目されており、各社新商品発表が相次いだ。ガルパンブームによる戦車プラモデルの好調も依然続いており、陸海空の全てに話題作が揃った形となっている。(斎藤雅道)