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気をつけろ 高齢者を狙った「ペット詐欺」(2)

 前出の山内氏が続ける。
 「葬儀業者の中には火葬後、遺骨をロッカー形式のお墓に入れ、いつでも愛犬、愛猫に会えるようしているところもありますが、死骸を山に埋める悪質なケースも後を絶ちません。墓所を持たない業者は、寄せられた相談事例のように、火葬後、いろいろな理由をつけてペットに会わせてくれない。そうした対応の場合には要注意です」
 しかし、動物の火葬業者には法的規制がなく、山内氏は「事前に見積もりを出させるなど料金の確認が必要。納得できない場合は、支払いや書類へのサインを急がないようにすべき」と、警鐘を鳴らす。

 国民生活センターによると、ペット購入後の相談件数は、ここ5年余りで増加傾向にあり、昨年は2375件。これには、団塊の世代が定年を迎えペットを購入する人が増えたのも原因の一つに挙げられるという。
 「ペット購入に関して販売を業とする者は、『動物の愛護及び管理に関する法律』における動物取扱業者として、'06年6月より自治体への登録が義務付けられた。販売(契約)にあたっては事前に動物の特性及び状態に関する情報について文書を交付し、消費者に署名等による確認を行わせること等が課せられたのです。このような規制強化により、店舗でのペット購入に関するトラブルは、やや減少傾向にある。しかし、近年のネット取引の台頭で、通販やオークション等の取引におけるトラブルは、徐々に増加する傾向にあるのです」(国民生活センター)

 このような状況の中、「CM出演する愛犬の晴れ姿を見たい、世間にも見てもらいたい」という飼い主の心情につけ込んだ、ペットモデル詐欺も少なくない。
 「たとえば、愛犬を登録した某動物プロダクションでは、まず登録料として2万円ほど請求し、さらにクライアントに見せるプロモーション用カタログの掲載料という名目で20万近い金額を要求。ところが支払いを終えると梨のつぶてで、結局、モデルの仕事など回ってこないケースが少なくない」(前出・社会部記者)

 また街中でよく見かけるのが「この子達を助けてください。募金お願いします」と声をかける募金詐欺。
 むろん本当に殺処分される犬・猫を助けようというボランティア団体も存在するが、中には人の善意に付け込んで金儲けをしようと企む連中もいるのだ。

 ネット社会を最も反映しているのが、差し替え詐欺や珍種売りつけ詐欺、ペディグリー詐欺だろう。
 「ネットで見た写真とは似ても似つかない犬や猫を送ってくる業者もいます。疾患を抱えていても動物好きの人は騙されたことを甘んじて受け入れてしまう。それに、一般の人はペットの知識が乏しい。そこに付け込んで、高価な珍種を売りつける業者もいます。ネットだけのやり取りに頼らず、契約の際には音声の録音をすること。サービス提供地や会社の存在など、サービスの根拠となるものを聞き出きだしておくと、問題が起きた時に法的対応がしやすい」(前出・山内氏)

 飼う側も、命を預かる強い意識が必要なのだ。

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