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増え続けるHIV感染者とエイズ患者

 現在、HIV感染者とエイズ患者が増え続けているという。
 エイズは1981年にアメリカの同性愛者が発症したことを発端に、一気に全世界に広まった病気である。元々はアフリカのチンパンジーの病気であったが、環境破壊などで人間と接触する機会が増えた結果、やがて人間にも感染するようになったという説が有力だ。
 日本でも80年代には相当強烈な印象で報道され、一時は風俗店に足を運ぶ人が減ったといわれているくらいだが、いまではそれほど多くは報道されていない。
 HIVとエイズについて語る前に、それらの違いについて説明すると、

【HIVとは】
 ヒト免疫不全ウイルスのこと。いわゆるエイズウイルスに感染した人をHIV感染者という。

【エイズとは】
 HIVに感染することによってリンパ球が破壊され免疫力が低下し、発症する様々な症状を総称して、「エイズ(後天性免疫不全症候群)」という。

 つまりHIV感染しているだけではエイズ患者ではなくHIV感染者となる。HIV感染が原因で免疫不全(体を守る生体反応が、うまく働かなくなること)を起こしてしまったのがエイズ患者となる。
 HIVに感染してもエイズになるとは限らない。ただし治療をしないでいると数年〜10年でHIVからエイズになるといわれている。
 かつては死の病といわれたHIVやエイズであるが、医療の発達によってHIVからエイズになることや、エイズでの死亡はかなり抑えることができるようになった。とはいえ、一度HIVに感染してしまうと、体内からHIVウイルスを根絶することは、いまのところできないため、治療は一生続けなければならないといわれている。

 世界的にみれば、HIVエイズに罹っている人は5千万人以上。特にアフリカのサハラ以南に世界中の感染者の約60%患者がいるとされている。
 日本では、わかっているだけでHIVとエイズ患者合わせて1万8千人。日本での感染者は増加傾向にあるが、検査をする人が逆に少なくなっているという。
 かつては同性愛者の病気と思われていたが、いまでは罹患者の約半数が同性愛ではない人であるとの報告もある。
 さらに最近注目されているのが感染者の高齢化。また悪いことに高齢者は病院にはよく通っても性病の検査はあまりしない。近年、バイアグラ等の開発によって元気な中高年も多い。元気なのは結構だが、年齢を問わず検査をするなり予防のためにコンドームを付けるなりしてほしいものだ。
 といっても、HIVやエイズに感染する人の約7割が、20代30代の若い世代であることを忘れてはならない。

 HIVやエイズが人々に知られはじめた頃、この病気が同性愛者に多く、性行為から感染することが多かったため「エイズは乱れた世の中を正すための神の行為だ!」という人もいた。また、黒人に多くの感染者がいて、アジアでも近年増えてきていることから「エイズは有色人種を撲滅するために作った生物兵器だ!」と、いう人もいた。もし神の怒りならひどい神だし、有色人種撲滅のための生物兵器だとすると、白人にも同じように感染するHIVは失敗だったということになる。
 幸いなことに、医療の進んでいる先進諸国の多くは、感染や死亡率が下がってきている。人類がかつて天然痘を根絶したごとく、一日も早くHIVやエイズを根絶することを願ってやまない。

(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)

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