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三鷹ストーカー事件 市民の怒りが露わになったリベンジポルノ差し戻し審

 東京・三鷹市で2013年に起きたストーカー殺人事件。元交際相手のAさん(18=当時)を刺殺し、全裸画像をインターネット上に投稿・拡散したとして殺人罪や児童ポルノ禁止法違反などに問われていた池永チャールストーマス被告(23)に対する差し戻し審裁判員裁判が東京地裁立川支部で開かれ、3月15日の判決公判で菊池則明裁判長は懲役22年の判決を言い渡した(求刑・懲役25年)。

 この事件は旧一審の裁判員裁判で無期懲役の求刑に対して懲役22年の判決が言い渡され、これを不服とした池永被告側が控訴。ところが東京高裁から「起訴されていないリベンジポルノ行為まで処罰し刑を重くした恐れがある」として差し戻された経緯がある。

 当時、画像拡散の沈静化を望んでいた遺族の意向もあり、児童ポルノ禁止法違反での起訴はなされていなかった。
 「旧一審の際に『処罰目的の余罪考慮はしてはならない』と裁判員に説明しなかった裁判官と検察の怠慢と言えます。差し戻し審では、あらためて児童ポルノ禁止法違反に関してAさんの裸体画像13点を閲覧可能にしたという罪で起訴されました。池永被告が保存していたAさんの裸体画像の数は、実際には千数百枚。欲求不満になったときに画像を送るよう頼んでいたようです」(司法記者)

 密かに残しておいた画像を拡散させた理由について池永被告は、旧一審での言い分と変わらず「自分の存在証明」と言い切った。また「恋情」「反駁」など、みょうに小難しい言葉を使って自身の気持ちを表現することがあり、裁判長から「君は分かりづらい言葉を使うよね。普通に話せばいいのに」などと突っ込まれていた。

 それでも池永被告は、ジャージ姿で終始ニヤついていた態度から一変、今回はビシッとスーツで決めていたことも影響したのか、差し戻し審を経てなお旧一審と同じ判決を受けることになった。裁判長は「被告はある程度、反省の意思を見せている」と述べている。

 判決を受けAさん遺族は弁護士を通じ「追起訴の画像投稿行為をきちんと処罰したことにはならない。納得できない」と発表。裁判員らも会見で画像について「正直ドン引きした」「ショックを受けた」などと、その衝撃ぶりを明かした。

 法にのっとっているとはいえ、“市民感情”が差し戻された今回のケース。裁判員制度の意義が、いま一度問われていると言えるだろう。

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