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北朝鮮空爆はダミー 金正恩の寝首を掻く2人の側近クーデター(2)

 対北朝鮮攻撃や斬首作戦の最終目標は南北の統一だが、ざっと見渡しても、各国それぞれ以下のような事情を抱えている。
 ◇北朝鮮…自国体制の終焉
 ◇韓国…債務超過会社の吸収合併に等しく、消化できる国力はない
 ◇中国…米韓連合軍と直接国境を接することは絶対回避したい
 ◇米国…中国同様、中国と勢力圏を接したくない

 そして日本は、
 「半島有事により強引に統一朝鮮が出現すれば、日本への敵愾心を求心力とする政権が登場し国益になりません。何よりも最大の懸念は、大量発生するとみられている難民問題です。外務省見解で“日本人扱い”されている北送された約2000人の日本人妻および2世、3世をどう識別するか。あるいは有事の際、その後方部隊となる自衛隊を無力化させる“日本語のできる対日特殊部隊”の上陸作戦の存在など、今の今まで危機管理を議論してこなかったツケが一挙に回りかねないのです」(同)

 実は昨年7月、韓国に亡命した元北朝鮮外交官・太永浩元駐英公使が気になることを述べている。《米韓に攻められ、わが国が敗北すれば、これほどの厳しい生活だけは止められる》というのが民心だと指摘した上で、民衆蜂起が萌芽しつつあるというのだ。

 故・金日成主席生誕105年式典には、黄炳瑞軍総政治局長、崔竜海党副委員長、朴奉珠首相、金己男党副委員長、呉秀容党副委員長がそろって登場し、彼らが政権中枢を担っていることがハッキリと分かった。
 「正恩の異母兄である金正男暗殺は、北国内では報じられていませんが、党・政府幹部たちは知っています。右腕の崔副委員長は党の大幹部で、金日成主席の抗日パルチザン同志である崔賢元人民武力部長の息子ですが、降格、復権を2度も繰り返すなど必ずしも評価されていません。左腕の黄局長は軍全体を掌握している実力者ですが、張成沢を裏切り、その処刑に重要な役割を果たしており、いつ自分がそうなってもおかしくないと考えているはずです。しかも、張をはじめ幹部を140人以上も処刑してしまったため、生き残った崔と黄の2人に権力が集中するというイビツな権力構造になっています。式典でも正恩が唯一心を許しているとされる妹の与正が仕切り役をこなしていましたが、それだけ正恩は政権中枢にいる大幹部を信用しておらず、幹部の多くは“面従腹背”ですから、いつ謀反が起きても不思議ではありません」(北朝鮮ウオッチャー)

 その一方で、正恩は軍部の傀儡となっている、という情報も流れている。
 「ある大手メディアが“金正恩傀儡説”を記事にしています。その内容を要約すると、正恩は崔や黄両大幹部の操り人形のようになっていて、自分で判断できる能力は事実上なく、さらに、崔が周辺国の脅威となっている正恩を自らが中心となって排除すれば、自分がトップになっても国際社会が受け入れてくれるだろうと踏んでいると、具体的に記しています。少なくとも軍部内には不満をもつ将校たちが多数おり、民衆蜂起や軍・宮廷内クーデターの可能性は、もはや完全に排除できなくなってきているのです。中国人民軍の支援を受けた新たな指導者が飛び出すかもしれません」(同)

 反正恩勢力と正恩の近衛師団との間で内戦を起こすことがあれば、これは米中にとっては願ってもないことだ。
 「そうなれば米韓連合軍は『5027』とは違う『5029』作戦を発動し、一挙に平壌制圧へ殺到するでしょう。同作戦は北朝鮮国内におけるクーデター、革命、大規模亡命や大量脱北など“体制を動揺させる急激な変化”が発生した場合に備えることで、2008年頃、当時の指導者であった金正日総書記の健康悪化を受け、まだ概念計画だったものを『作戦計画』に格上げしたものです。金大中、盧武鉉政権時代には、北朝鮮を刺激するとしてその存在さえ認めなかったのですが、李明博政権時代に明るみに出たもので、現在はすっかりホコリが払われ、半島有事の際の作戦テーブルに載せられています」(同)

 どの道、トランプvs正恩の“チキンレース”に日本も巻き込まれていることだけは間違いない。

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