三冠の敷居はそんなに低くない。
高山は今シリーズ諏訪魔との直接対決で1勝1敗。6月21日の開幕戦ではまさか金星を奪われたこともあった。だが、帝王の反応は意外なものだった。
「別に。いつも通りの諏訪魔なんじゃない? まぐれで1回勝っただけ。ただ、オレと向かい合ってる時だけじゃなく、オレと戦っていない時も頑張らないと」と正論でピシャリ。
さらに「あんなのが挑戦したいっていってるけどどうなの? (全力ファイトは)今日、明日じゃなく、表明する以前からの問題」と辛らつに突き放した。
高山は、常に全力で相手をねじ伏せてきた。全日プロに参戦し、3冠挑戦に向けて出される査定もすべてクリアしてきた。それだけに今の諏訪魔は物足りなく映ってしまう。
そこで帝王は諏訪魔にひとつの課題を与えた。「オレには(アピールが)全然伝わってこない。連日連夜、ファンに諏訪魔コールを起こさせないとダメ。(タイトルマッチは)ファンに見たいと思わせて、組織と会社が認めて初めてできるもの」
試合で勝つのは当然だが、ファンの支持も集めて初めて認められるものだという。
この日は水戸市民体育館大会で、世界タッグ王者の鈴木みのる&太陽ケアとGURENTAI最強トリオを結成し、武藤敬司&河野真幸&浜亮太と対戦。バツグンのチームワークで3人を分断させることに成功すると、最後はランニングニーリフトで浜を沈めた。
今シリーズも残すところあと2試合。帝王は“ネクストジャンボ”“未来のエース候補”と期待されている諏訪魔をどこまでも突き放していく。