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『JDI』最後の大博打! “見開き液晶パネル”に懸けるジャパンプライド

 スマートフォン向け液晶パネル大手の『ジャパンディスプレイ』(JDI)の筆頭株主は官民ファンド、産業革新機構だ。つまりは失敗、失策は間接的にではあるが、国民負担に直結するということになる。

 ソニー、東芝、日立の中小型液晶事業を統合した『JDI』が発足したのは2012年4月。当時“液晶日の丸連合”ともてはやされたその実態は、体力の消耗戦でヘトヘトになった企業が政府主導で傷を舐めあって出来上がった弱者連合だった。そのJDIの動向が再び注目されている。
 「JDIは今年に入り、最大の得意先である米アップル『iPhone』の販売台数の伸び悩みやパネルの在庫過多で資金繰りが悪化していました。売り上げの半分以上がアップル1社依存の状態で、筆頭株主の官民ファンド『産業革新機構』のバックアップで資金繰りを乗り切ってきたのです。4月以降は、みずほ、三井住友、三井住友信託銀行3行との間で融資枠を350億円から600億円まで増額したことで、一気に信用不安が広がりました」(市場筋)

 9月末には、複数のメディアで資金繰りに関するニュースが報じられ、緊張が走った。
 「来年、iPhoneに有機ELの曲面パネルが採用予定となるほか、スマホを中心に有機ELが急速に普及する動きがある。現状、小型有機ELは韓国サムスン電子のシェアが9割を占めているので太刀打ちできないだろう」(業界関係者)

 そんな中、日本経済新聞11月17日付で報じられたのが『JDI スマホ向けの見開き型液晶パネルを開発』というニュース。これは複数の液晶パネルを連結し、本を開くように大画面でコンテンツを楽しめるようになるというものだ。
 「見開き型パネルを採用する端末が、世界シェア上位の中国メーカーから来夏に発売される見込み。JDIは有機ELを捨て、液晶と心中する気なのだろう。水面下で産業革新機構から数百億規模の金融支援策を取り付ける話が進められているようだ」(同)

 最後の大博打に懸けるジャパンプライド! 再び輝きを取り戻すことができるか。

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