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幼児が摂取で死亡 意外に知られていない「はちみつ」の危険性

 3月末、都内に住む生後6カ月の男の子が、はちみつの摂取による「乳児ボツリヌス症」で亡くなった。これまでに同様の発症例は日本に20数例あるが、死亡例は今回が初めて。驚くことにはちみつは、ボツリヌス菌にとって絶好の棲家なのだという。
 「ボツリヌス菌は土中にもいる菌ですが、実ははちみつはこの環境に近い上、加熱処理や殺菌処理をしていないため、菌が含まれているケースは多いのです。大人には乳酸菌やビフィズス菌が腸内にあるので、ボツリヌスの芽胞はそのまま排出されますが、乳幼児は未熟であるために腸が詰まり、便秘や手足が動かなくなったりする場合があるのです」(都内小児科専門医)

 重症化するのは稀といわれ、受診のタイミングが遅かったなど不運が重なったとみられている。管理栄養士が指摘するには、
 「はちみつのパッケージには『1歳未満の乳児には与えないでください』との記載が、スーパーに並んでいる一般的な価格の物にも、ちゃんと記されています」
 と言う。しかも、
 「お母さんは、離乳食が始まる頃に育児書などで調べるので、何を与えてはいけないのか知識を持ちます。もちろん、産科や自治体などで私たちが講習会を開いたりしますので、はちみつはNGだという知識はあると思うのですが…」(同)

 ところが、とんだ盲点があった。意外に祖父母の世代に知らない層が存在しているらしいのだ。
 「はちみつが原因の乳児ボツリヌス症が問題になったのは1980年代で、それを受けて厚労省が指導するようになったのは1987年。30年前からなのです。祖父母世代の子育て期にははちみつがそれほど普及していなかったという時代背景もありますから、意外と知らない方も多いかもしれません」(前出・専門医)

 はちみつのパッケージにもっと大きく「乳幼児NG!」の表示を義務付けるのも必要ではないか。

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