元経産省関係者が言う。
「1月22日の相場こそ、前日に欧州中央銀行のドラギ総裁が追加緩和策を示唆する発言をしたことで1000円近くも急反発した。しかし、それでも昨年末の終値から2000円近くも安値になっている。専門家の間では1万円台という恐るべき株価も囁かれています。中国経済の失速、原油安と株大暴落の根本原因は何ひとつ解決されず、アベノミクスの先行きは絶望的。そのため来年4月の消費税10%値上げに伴う軽減税率1兆円の原資は、まったく見通しが立たない。安倍首相は今年夏の参院選を“消費税アップ中止宣言”で乗り切るしかないと、腹を固めたとの話も聞こえてくるのです」
さらに政界事情通の間では、こんな震撼すべき情報が流れているのだ。
「衆参ダブル選挙で、橋下徹前大阪市長の衆院選出馬の方向は、ほぼ確定的になった。仕掛け人は橋下、松井大阪府知事とツーカーの菅官房長官」
裏事情通らの話を総合すると、菅氏の読みと次のステップはこうだと言う。
一度坂を転げ始めた安倍政権は、ダブル選挙でも自公の現政権与党で過半数維持が困難となる可能性が高い。
「不況と政界疑獄で政治不信がピークに達する。頼れるのは共産党主導の国民連合政権しかないのかと諦めムードが流れた時、橋下氏がおおさか維新の看板スターとして華々しく『大阪を変える、日本を変える、世界を変える』と出馬。爆発的人気で相当数の議席を確保できると、菅氏は読んでいる」(裏事情通)
ある程度の議席を確保する自公。しかし、過半数には届かない。
そこに、おおさか維新の40から50議席前後が一挙に加わり、“3党連立政権”を誕生させるという読みだという。
「安倍さんは自民大敗の責任で首相の座を退かざるを得ない。そして3党連立で自民党総裁は一歩引く。つまり、かつて小沢一郎氏が'93年、8党連立で日本新党の細川護煕氏を首相にしたあの手法で、橋下氏を指名首班候補にし、一気に首相にするのです。菅さんはいまのままの経済と政界不信が増幅していけば、そうしたシナリオは現実になると見て、すでに根回しを始めている」(政界関係者)
1月15日、橋下氏は大阪市内で企業経営者向けの講演をスタート。この講演を手始めに全国での講演活動を展開するという。
これはまさに「講演」というより「全国遊説」に等しい。
安倍政権崩壊が、いよいよ加速し始めた。