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阪神・中野、盗塁王確実も手放しでは喜べない? チーム躍進を支える裏で目立った深刻な課題とは

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 1992年の再来。幾度となくそのフレーズが聞こえた今シーズン。優勝こそならなかったものの、阪神タイガースの躍進は見事だった。そして、あの「亀新」フィーバーに揺れた29年前の様々な出来事が掘り起こされ、今季の躍進に重ねられたことも事実だった。

 最終盤までのペナントを争うデッドヒート、驚異の新星の登場、安定感を増した投手陣…、外国人選手の奮起・・・。

 その中で、「遊撃手の新人・レギュラー定着」も29年前に重なる。1992年、ルーキー久慈照嘉はあのペナントレースで主力として戦い抜き、名遊撃手としての道を歩み始めた。時を経て2021シーズン、ショートのポジションを掴んだのは、こちらも新人で売り出し中の中野拓夢だ。

 今季は開幕戦から出場を果たし、シーズン序盤からショートの定位置を手にした。そして、途中からは2番に定着、犠打数もリーグトップを記録するなど、小技での繋ぎでも存在感を放っている。現代野球において、2番打者はスラッガーなどの強打者が幅を利かせている打順。中野はかつて時代の常だった「小技・俊敏さ」を武器とし、近本光司とともに猛虎打線の切り込み役を担っている。

 盗塁王(30個)をほぼ手中に収めるなど、1年目でのタイトルホルダーという偉業も目の前だ。さらに、ルーキー豊作と言われる今シーズン、同僚の佐藤輝明や伊藤将司、広島の栗林良吏、DeNAの牧秀悟等とともに、例を見ないほどの激戦の新人王争いとなっているが、中野も十分権利を有している。

 一方で、守備面でも高い評価を受けているものの、失策17個と、12球団最多の数字となっている。打球の質も様々であり、幅広くカバーしなければならない遊撃というポジションとは言え、フィールディングの更なる安定度が求められる。

 チームはペナントには届かなかったが、戦いはまだ終わっていない。来月6日から始まるポストシーズンでも、打線を牽引する役割が求められる。ペナントレース同様、クリーンアップへの繋ぎや、俊足・巧打でのチャンスメイクがどれだけ見られるかが、頂点へ上り詰めるためのポイントとなるだろう。

 歴代、タイガースのショートストップは小技を前面に押し出して活躍するイメージが強い。新しい時代も伝統を受け継ぎ、中野拓夢がその足で、さらに内野の要として、攻守でチームの原動力とならなければならない。そして、29年前とは違う物語のシナリオを、ルーキー中野拓夢も演じる主役の一人だ。(佐藤文孝)

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