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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ 焼き長ネギ

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提供:週刊実話

 長ネギをたたいて斜めに切って油で焼くだけの簡単健康食で、肥満、高血圧、高血糖etc.が改善する!

 長ネギはとても身近な野菜だが、実は驚くほど健康にいい。例えば、ツンとした刺激のもとになる「イソアリシン」には、血糖値を下げる、血中コレステロール値を整える、強い抗菌作用で風邪などのウイルスを倒すなど、様々な働きを有している。だが、食べれば食べるほどイソアリシンの刺激が強くなるので、胃に炎症を起こしたり、腸内細菌のバランスを乱すなど、マイナスの効果を及ぼす恐れもある。

 そこで、『病気にならない焼きネギ健康法』(サンマーク出版)の著者で、医学博士の平柳要先生が勧めるのが、高温でサッと焼く「焼き長ネギ」だ。

「長ネギを熱することで、イソアリシンが健康成分の『スルフィド類』に変わりやすくなり、脂肪の蓄積を防ぐなど、あらゆる健康効果を発揮します。ただし、高温下で長時間焼くとイソアリシンの量が減り、作れるスルフィド類の量も限られてしまうので、さっと表面を焼くようにします」(平柳先生)

 イソアリシンは最初から長ネギに含まれているわけではない。元々は無臭の「イソアリイン」という成分が含まれていて、たたいたり切るなどして長ネギの細胞が壊れることで酵素と反応し、イソアリシンに変化するのだ。ただし、みじん切りは焼いた時に高温になりすぎるので、斜め厚切りがお勧め。切る前か後に包丁の背などで長ネギをたたくと、より効果的だ。

「最近はカット済みの長ネギも売られていますが、イソアリシンは切って長い時間経つと揮発し消滅してしまうので、焼き長ネギの健康効果を得るのが難しくなります。カット済みの長ネギは、薬味や彩りの目的で使うのがお勧めです」(平柳先生)

★焼き長ネギの健康効果

 長ネギの白い部分の芯のほうや青い部分の内側には、少しヌルヌルしたものがある。一般的には「ヌル」と呼ばれるが、正式には「フルクタン」という水溶性の食物繊維で、高めの血圧や血糖値を下げる働きがある。熱に強く、一部が「フルクトース」という甘み成分に変わるので、焼いても成分が失われず、それどころか旨みが増していくのだ。

「青い部分を捨ててしまう方もいますが、それはあまりにもったいないです。これからはすべての部分を活用することが、健康への近道となります」(平柳先生)

 焼き長ネギを食べると、このフルクタンの成分が中心となって、高めの血糖値が下がったり、中性脂肪値や悪玉(LDL)コレステロール値も下がることが、中国の南方医科大学などの研究で明らかになっている。焼き長ネギを食べることで、インスリンの働きもよくなり、高めの血糖値が下がるのだ。

 また、フルクタンには降圧作用があることも、様々な機関の研究によって判明している。そのため、血圧が高くて悩んでいる人も、焼き長ネギを積極的に食べたほうがよい。

「焼き長ネギには、血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐほか、肝機能や胃腸トラブルの改善、がんの予防といった健康効果もあります。また、直接的にウイルスや細菌の力を弱めて感染症を予防したり、免疫力を最適に調整して風邪やインフルエンザを防ぐなど、新型コロナウイルス対策に通じる効果も期待できます。いったん終息しても第2波感染が起こる可能性があるので、今のうちから焼き長ネギを習慣的に食べておきましょう」(平柳先生)

★毎日継続して食べるのが◎

 焼き長ネギは毎日1〜2回、継続して食べるのが大事である。1日の摂取目安量は11gで、大体15㎝の長ネギを食べればOKだ。空腹の状態で食べたほうが健康成分の吸収がよくなるので、食事の最初に食べるとよい。

「毎回長ネギを焼くのが大変なら、1本丸ごと焼いて保存するのもお勧めです。冷凍保存すれば、スルフィド類などの効果が数カ月にわたって持続することも明らかになっています。2〜3日以内に食べるなら、ラップや保存袋に入れて冷蔵庫で保存し、電子レンジで30秒程度温めてから食べてください」(平柳先生)

 焼き長ネギの食べ方は人それぞれだが、毎日となると飽きがきてしまう。市販の調味料だけでなく、明太子ソースや味噌ソースといったオリジナルソースを作ると、味のバリエージョンが増えて継続して食べられるようになる。また、事前にオリーブオイルに漬けた長ネギを焼くと、抗血栓作用や抗ウイルス作用が高い「アホエン」という健康成分の効果も得られる。

 誰でも簡単に作れるのが、焼き長ネギの魅力。料理とは無縁だったという人も、ぜひとも試してみよう。

◉焼き長ネギの秘められた7大健康パワー
1減量効果:脂肪の蓄積と空腹感を抑える。
2感染症予防:ウイルスや細菌の力を弱める。
3血糖値コントロール:インスリンの働きがよくなる。
4降圧効果:成分フルクタンが、血圧の上昇を防ぐ。
5血液サラサラ作用:血栓(血液のかたまり)ができるのを防ぐ。
6免疫力調整作用:風邪・インフルエンザなどの感染症を予防。
7中性脂肪値・LDL値改善:中性脂肪と悪玉コレステロールを抑制。

◉焼き長ネギのポイント
焼くことで、におい成分(イソアリシン)が健康成分(スルフィド類)に変身!

◉焼き長ネギの作り方
材 料
長ネギ:1本 オリーブオイル:適量
※エキストラバージンオリーブオイルがお勧め

作り方
(1)長ネギを麺棒や包丁の背でまんべんなく軽くたたく。
(2)たたいた長ネギを斜め切りにする。青い部分も切る。
(3)(2)を保存容器に詰めてオリーブオイルがひたひたになるまで注ぎ、20〜30分ほど漬ける。
(4)漬けた長ネギをフライパンにのせて、中火または弱火で焼く。表面がキツネ色になるまで熱し、反対側も同様にキツネ色になるまで焼いたら完成。
食べ方&保存方法
食事の最初に食べると、焼き長ネギに含まれる健康成分の吸収がよくなる。ソースをかけたり、料理にちょい足しするのがお勧め。少量なら冷蔵庫保存が基本だが、まとめて作って冷凍保存してもよい。

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監修/平柳要先生
食品医学研究所代表兼所長。医学博士。東京大学大学院医学研究科修了後、ハーバード大学客員研究員、日本大学医学部准教授などを経て、現職。著書に『病気にならない焼きネギ健康法』(サンマーク出版)など、多数。

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