search
とじる
トップ > レジャー > 名医・博士の健康術 ★今週のテーマ あずき紅茶

名医・博士の健康術 ★今週のテーマ あずき紅茶

pic pic

提供:週刊実話

 若返りやダイエット、冷え性にも効果アリ!!あずきパワーで高血圧、血糖値を改善!

 赤飯やあんこなどに使われ、日本人にとって古くからなじみのあるあずきには、ダイエットや生活習慣病の改善に役立つ様々な成分が含まれている。

 その筆頭ともいえるのが、ポリフェノール(植物に広く含まれている抗酸化成分の総称)で、体の細胞や組織を傷つける活性酸素を追い出し、老化を防ぐ作用がある。

 ポリフェノールを多く含む食品といえば赤ワインが有名だが、あずきには、ポリフェノールが赤ワインの約1.5〜2倍も含まれている。さらに、長年にわたってあずきの研究に取り組み、「あずき博士」としてメディアなどで活躍する農学博士の加藤淳先生は、あずきに含まれるポリフェノールの効能について、次のように述べる。

「ポリフェノールには多くの種類がありますが、あずきにはカテキングルコシド、カテキン、ルチン、プロアントシアニジンなどが含まれています。これらを総称して、私は『あずきポリフェノール』と呼んでいます。マウスを使った実験では、血圧や悪玉コレステロール、血糖値の上昇を抑制する効果があることが分かっており、メタボリックシンドロームに関わる各症状の発症を抑えてくれます。メタボの方は、健康な方に比べて動脈硬化のリスクが30倍以上もあるので、心あたりのある方は、『あずきパワー』を活用してみましょう」

 一般的に高血圧は塩分のとりすぎが一因とされているが、ポリフェノールの一種であるカリウムには、体内の余分な塩分を排出する効果がある。茹でたあずきには100gあたりバナナ1本分のカリウムが含まれているので、血圧を抑えたい時の強い味方になる。

★食物繊維を多く含む

 あずきには、それ以外にも食物繊維やオリゴ糖、ビタミンB₁、サポニンなど、私たちの健康を支える成分が多数含まれている。

「私たちの腸内には約100兆個の腸内細菌がいますが、食物繊維とオリゴ糖には、腸内細菌のバランスを良好に保つ作用があります。食物繊維を多く含む食べ物には豆類やきのこ類、野菜類などがありますが、あずきの食物繊維の含有量は際立って高く、100gあたり17・8gも含まれています。これは野菜の中でも特に多いごぼうの約3倍、普段、主食として食べる精白米の約36倍の量になります」(加藤先生)

 あずきはビタミンB群も多く含まれているが、その中でもビタミンB₁には、糖を分解してエネルギーに変換させる働きをサポートする作用がある。そのため、不足すると糖の代謝機能が悪化し、手足のしびれや動悸、むくみなどの症状を招きやすくなる。

 さらに、糖と他の物質が結合した配糖体と呼ばれる成分の一種であるサポニンには、体の中でコレステロールや中性脂肪ができるのを防ぎ、血液をサラサラに保つ働きがある。

★あずき水を毎日飲む

 このように、あずきには様々な有効成分が含まれているが、サポニンやカリウムは水に溶け出しやすく、多くが煮汁に出てしまう。そのため、煮汁と一緒にとれるお汁粉、あずきスープとして食べるのがお勧めだが、もっと手軽にとりたいのであれば、あずきの煮汁を冷やして作った「あずき水」を普段の食生活に取り入れるとよい。市販のものもあるが、自分でも簡単に作ることができる。

「煮出したあずきをこすだけでOKです。人肌ぐらいの温度まで冷ましてから、冷蔵庫に保管して1日に300ml以上飲むようにします。朝と夜の食前に、コップ1杯分(約150ml)飲むのが理想です。ただし、飲みすぎると、お腹をくだす恐れがあるので、1日500mlまでにしておきましょう。また、あずきの煮汁には利尿作用があるので、体から余分な水分や老廃物を出すのを助けてくれます。そのため、体のむくみをとるだけでなく、お酒をたしなむ方は、二日酔いの解消にも役立って重宝します」(加藤先生)

 ちなみに、あずきには「大納言」や「普通あずき」などの品種があるが、「あずき水」に使うあずきの産地や品種は、国産であれば基本的に何でもOKだ。

★あずき紅茶で風邪を予防

「あずき水」をさらに美味しくとりたいのであれば、紅茶のティーバッグを使って作る「あずき紅茶」がお勧めだ。

「紅茶には、テアフラビンというポリフェノールの一種が豊富に含まれています。強い抗酸化作用があるので、風邪の予防や血糖値上昇の抑制に役立ち、アンチエイジング効果も期待できます。また、あずきの煮汁と一緒にとることで、ポリフェノールの相乗効果も見込めます」(加藤先生)

 紅茶のティーバッグは基本的に何でもOKで、ピーチティーやアップルティー、アールグレイなどでも問題ない。その日の気分に合わせて違う紅茶を選ぶことで、「あずき紅茶」を飽きずに楽しめる。また、アイスでもホットでも楽しめるが、今の季節は体が温まるホットでいただくのがよいだろう。

 カテキンなどのポリフェノールやサポニンは煮汁に溶け出るが、煮たあとのあずきにも食物繊維や鉄分といった有効成分が残っている。そのため、サラダにのせたり、カレーに入れたり、ご飯を炊く時に加えてあずきご飯にするなど、最後までムダなく有効活用したい。

◉あずきの健康パワー
*ポリフェノールの量が赤ワインの1.5〜2倍。
*「あずきポリフェノール」が活性酸素を追い出し、体を若返らせる。
*血糖値や悪玉コレステロールの上昇を抑える。
*カリウムが体内の余分な塩分を排出して高血圧を改善。
*サポニンで血液がサラサラに。
*食物繊維とオリゴ糖で腸内バランスを整える。
*ビタミンB₁が糖を分解してエネルギーに変換。

・高血圧だと?:血圧が慢性的に高い状態が続くと、血管に常に負担がかかってしまう。その結果、血管の内壁が傷ついたり、動脈硬化が起こりやすくなり、脳卒中や心疾患などの発症リスクが高まる。

・血糖値が高いと?:血液に含まれる糖は生きるために必要なエネルギー源だが、余分な糖が血液中に停滞すると糖尿病のリスクが高まる。肌年齢を保つのに必要なコラーゲンなども糖化し、肌年齢の老化が進む。

◉「あずき紅茶」の作り方
あずきを煮た鍋に紅茶のティーバッグを入れ、その後、写真のようにザルを使ってこせば完成だ。あずき紅茶は、血糖値を上げずに脂肪の蓄積を防ぐほか、ダイエットや若返りの効果も期待できる。

材 料
・あずき/100g
・水/1500ml
・紅茶ティーバッグ/4袋
作り方
(1)1Lの水を沸騰させ、軽く水洗いしたあずきを鍋に入れて弱火で約20分煮る。
(2)水500mlを継ぎ足し、さらに20分ほど弱火で煮る。
(3)鍋の中に紅茶のティーバッグを4袋入れて3分おく。
(4)ザルを使って、(3)をこす。
(5)1回に飲む目安はコップ1杯(約250ml)。残りは冷ましてから保存容器に入れて冷蔵庫で保管。保存期間は3日間まで。
ポイント
*あずきの産地・品種は、国産であれば何でもOK。
*紅茶のティーバッグは、お好みのものを。
*朝と夜の食前に、コップ1杯(約250ml)飲むのが理想。
*アイスでもホットでも楽しめる。
*保存は密閉容器に移し、冷蔵庫で3日間まで。

***************************************
監修/加藤淳先生
農学博士。名寄市立大学栄養学科教授。北海道立総合研究機構・中央試験場、同・道南農業試験場などを経て現職。豆類の研究を行い、講演や『「あずき」のチカラはこんなにすごい!』(KKベストセラーズ)などを執筆し、普及活動に尽力。

レジャー→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

レジャー→

もっと見る→

注目タグ