新水族園は西日本唯一のシャチ棟のほか、イルカ棟、魚類・アシカ・ペンギン棟の3棟からなり、海浜リゾートとして再整備される。西日本最大級の水族館になるというが、問題は入園料だ。
大人が3100円で、幼児から中学生は1800円。今の大人1300円、子供500円に比べると倍以上の値上げ。幼児に至っては、これまで無料だったのが、中学生と同じ扱いを受けることになる。
須磨海浜水族園は62年の歴史を持ち、これまで神戸市民に親しまれてきた。それだけに市民は、入園料の高さに戸惑いを隠しきれないでいる。
子供連れで来園していた須磨区の主婦は「今日も海岸の散歩のついでに軽い気持ちで来たんですが、子供を連れて1回5000円近くかかるようじゃ、リニューアル後は来づらいですね」と苦笑する。
高過ぎる入園料に不安と疑問を感じた市民たちは「須磨水族園を考える会」を結成し、10月下旬に署名運動を開始。11月22日には1次集約した7031人分を市に提出した。
「リニューアルオープンまでまだ少し時間がありますから、何とかして運営制度の見直しを訴えていきたいです」(同会の関係者)
そもそも、大幅値上げする背景には、新たな設備投資と須磨海浜公園のリゾート化への対応がある。
「兵庫はインバウンド対応で、大阪、京都、奈良に比べると遅れを取っています。その挽回の切り札が須磨海岸のリゾート化。独自路線を行けばいいのに、大阪の海遊館や京都水族館のような“観光施設”と張り合うつもりなんでしょう」(同)
新水族園のリニューアル計画に名乗りを上げた民間グループと、神戸市の対応が注目される。