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奇跡の魔術師カリオストロ伯爵 波乱万丈な人生の行方

 アレッサンドロ・ディ・カリオストロ。
 フランス革命の原因の一つとなった事件と伝えられる「首飾り事件」の黒幕と考えられているとともに、魔術師とも錬金術師ともして伝説化した人物だ。

 自称魔術師であり、不老長寿の技を会得したという彼は、18世紀中期ヨーロッパ各地で怪しげなショーを披露していた。当時ヨーロッパでは神秘主義が台頭しており、世間のニーズにあっていたカリオストロ伯爵は貴族たちの間でたちまちスターとなっていったという。透視術や魔術医療を始めとしたオカルト知識に長けており、特に彼独自の姓名判断と予言の評判はかなり良かったと伝えられている。18世紀後半、有名な秘密結社フリーメイソンに参加するようになったカリオストロ伯爵は、膨大なオカルト知識と技術を遺憾なく発揮して瞬く間に組織を掌握していった。
 しかし首飾り事件にて彼の人生は暗転する。誤った容疑で首飾り事件の首謀者とされてしまうのだ。後に無罪で釈放されるのだが、時の権力者によって国外追放処分を受ける。市民から大きな人気を受けていたカリオストロ伯爵は、ルイ16世やマリー・アントワネット等の権力者から嫌われ恐れられていたため、このような処分を受けることとなったのではないかといわれている。

 最終的には己の妻に裏切られ、ついにローマで異端者として逮捕されてしまう。そして牢獄にて幽閉され1795年に獄死したと伝えられている。一説によるとこれもカリオストロ伯爵の奇跡の力を教会が恐れたためだといわれているが、真実は不明である。もしも本当にカリオストロ伯爵が奇跡の力を持っているならば、21世紀の現代でもどこかで怪しげなショーを披露しているのかもしれない。

(山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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