search
とじる
トップ > 社会 > 内部告発スクープ! センバツ出場「福知山成美」運営の学校法人が破綻危機全行状(2)

内部告発スクープ! センバツ出場「福知山成美」運営の学校法人が破綻危機全行状(2)

 ただ成美高の名誉のために言えば、近年東大、京大や阪大など国立難関大の合格実績を着々と積み上げている。このように高校の方は私学助成金も受け、文武両道校としての道を歩んでいるのだが、いかんせん学園経営は火の車だ。昨年末には「給料が出ない」との噂を一部教職員が耳にしたという。
 「成美大学は、福知山市が特別補助金約27億円、大学が20億円を拠出し『公私協力方式』によって開学しています。そのため歴代の助役(現在は副市長)が学園の理事を兼任し、大学経営に関与してきました。それでも大学の自主独立をおもんぱかり理事長には就きませんでしたが、昨年末、ついに前副市長の小西氏が理事長に就任したのです。直接、市が大学に関与せざるを得なくなったのは、学園のメーンバンクが大学からのSOSに対し、条件として“市の保証”を要求したからです。短期資金を借り入れることで給料の遅配は回避され、急場をしのぎましたが、これで大学経営が立ち直ったわけではない。今後は、虎の子の旧女子高跡地を売却することで延命を図るつもりなのです」(元大学職員)

 前出の竹下常務理事は、給与遅配および市からの条件融資に関して「事実ではない」と否定し、売却費については「財務管理に充てることで経営を上向かせる予定」と回答した。しかし、昨年度の赤字額は大学だけで約1億6000万円に上り、今後も定員割れが改善される見込みはなさそうであることから、学園の破綻は必至の情勢だ。

 理事会の機能不全の例を一つ挙げよう。大学は'09年、鷹野和美学長時代に、学長解任に揺れたことがある。解任理由は、ご本人の名誉のためにここでは述べないが、鷹野氏は学長在任中に総合型地域スポーツクラブの全国組織『クラブリンクJAPAN』という団体と連携し『ウェルネス総合マネジメント』講座を開設。京都創成大(当時)を全国初の資格認定校にするという企画を立ち上げ、学生募集の目玉にしようとした。
 実際に'09年度、この講座を受講し、ウェルネスマネジャーの資格を得ようと十数人が入学したのだが、彼らが入学したときにはこの講座を開設した鷹野氏は大学を去っており、この講座も事実上消滅していた。結局、学生は資格を取得することができずに卒業したのである。

 大学は資格取得を目指した学生に対し、かけがえのない青春の時間を空費させ、経済的な損失を与えたことになったわけだが、理事会は事態の是正に動かず、また市当局も、このような理事会の無責任体質を問題にしなかった。いやしくも国の認可を受け、設置に際して国による“お墨付き”をもらっている大学が“詐欺的行為”を働きながら何のお咎めもなかったのである。
 「この一件に対して理事会はまともに機能しておらず、加えて私学会計法に定められる残高証明を維持するために借り入れに頼っている大学が、これからも存続できるわけがありません。募集を停止した上で財務管理費と称する資金を、今年4月に入学してくる学生が卒業するまでの4年間に費やすのならわかるが、これを食いつぶしてから『破綻しました』では、在校生、職員のみならず市民にまで迷惑が及ぶ。これまで“小田原評定”を繰り返してきた理事会に対して、現理事長を通じて市長が決断を下すときがきていると思います」(元学園関係者)

 ところが市当局までもが、問題を先送りする気配のようで呆れるばかり。
 「もし募集停止という事態になれば、大学設立のために投入した血税27億円について福知山市が責任を取り、市民に還元しなければならない。市としてそれはしたくないし、京都創成大は成美高校(旧制)OBの中村稔市長時代に設立されたもので、現・松山正治市長の責任は小さいとはいえ、『自分の代でつぶしたくない』と周囲に漏らしているのは自己保身と見られても仕方がない」(市政関係者)

 名門といわれる福知山成美高校が、道づれになって消滅することがないよう祈るばかりだ。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ