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地震専門家が警鐘 富士山大噴火、そして首都直下型地震に備えよ!(2)

 このところ東北や九州の火山の活動が活発化しているが、気になるのは箱根山の活動が富士山の噴火に繋がるのか、という点だ。
 前出の木村氏は、箱根山と富士山の噴火の時期について、それぞれ箱根山が2015年±5年、富士山が2014年±5年と予測している。つまり、まさに今から東京五輪目前の噴火が濃厚と予測している。
 「2つの火山は、マグマだまり自体はつながっていませんが、ともに太平洋プレート、フィリピン海プレートに押されています。箱根山が悲鳴を上げたことから、富士山もいつ悲鳴を上げてもおかしくはない状況なのです」(木村氏)

 ちなみに、三陸沖を震源として発生した貞観地震(869年=M8.3以上)の5年前に富士山が噴火、さらに3年前には新島向山の大噴火が起き、1年前には兵庫県でM7以上の直下型地震が発生している。
 「噴火と巨大地震の関連性については、最近になり専門家の間で指摘され始めています。実際に富士山噴火の前後には日本中で天変地異が発生しており、貞観地震の9年後には関東諸国地震、つまり、今でいうところの首都直下型地震が起きている。こう見ると、富士山噴火と連動して首都圏直下型地震が起こっても何ら不思議ではありません。ましてや、房総沖と伊豆小笠原沖では、巨大地震がすでに秒読み段階とも言われている。富士山噴火の後、房総沖地震、伊豆小笠原沖地震、そして首都圏直下地震と、巨大地震が相次いで襲う可能性も十分にあるのです」(サイエンスライター)

 専門家の間では、3・11では日本海溝のうち宮城県沖〜茨城県沖までのプレートが滑って巨大地震となったが、その北側の三陸沖と、南側の房総沖のプレートが滑らずに残っているとされる。つまり、3・11の震源域のストレスは取れたものの、北側と南側ではストレスが強まっており、その現象の一端として今年2月17日、北側の岩手沖でM5.7、最大震度5強の地震があったばかりだ。
 木村氏はこの北側地域についてM8.5、発生時期を2019年±5年の地震を予想しているが、3・11の際も都内では震度5を観測しているだけに、同じ程度の地震動は覚悟しなければならない。加えて木村氏は、伊豆小笠原諸島沖を震源とする巨大地震が発生するとも予測(2012年±5=M8.5)。こちらは地震動そのものよりも、首都圏沿岸と西日本の太平洋側に発生する巨大津波が脅威という。

 また、房総沖のプレート付近で巨大地震が発生した場合、首都圏の揺れによる被害は深刻なものとなる。
 「房総沖地震が起きた場合、東京は震源地から100キロ以上離れていますが、最大で震度6強、広範囲で震度6弱の揺れがあるでしょう。地震研究者の間では、早ければ10年以内、遅くとも30年以内には間違いなくやってくると言われています」(前出・サイエンスライター)

 そんな折、5月3日午前1時51分ごろに鳥島近海でM5.9の地震が発生し、伊豆諸島の八丈島で最大50センチの津波が観測されている。震源の深さは浅く、地震の規模が小さいのに津波が発生したことについて気象庁は「地下のマグマの活動にともなって津波が発生した可能性がある」としている。
 また、小笠原諸島の一つ、西之島の地下ではいまだ猛烈な火山活動が続いており、今後、海底で新たな噴火が起こる可能性もあるという。
 「小笠原諸島の海底火山の噴火により突如出現した西之島は、その後も拡大し、海面上の体積は東京ドーム約52個分にあたる6446万立方メートルにまで達している。懸念されるのは、通常の火山活動にとどまらず、噴火が巨大地震を誘発することです。そうなれば、当然、大津波も発生します」(前出・サイエンスライター)

 木村氏の定義によれば、この西之島の噴火は「P3噴火」である可能性があるという。「P3噴火」とは、「P1」「P2」と呼ぶ噴火の段階を経て、群発地震が発生した後に小規模の噴火が起きる段階であり、その後、大地震発生となる可能性があるという。
 箱根山の異変が悪夢の連鎖を生み出さないことを祈るばかりだ。

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