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社長退任! 空母・三越伊勢丹が“通販サイト”の海に沈む日

 中国観光客による爆買い特需が消えた今、見えてきたのは深刻なアパレル不況に翻弄される百貨店事業だ。いまだ9兆円市場とも言われるアパレル業界だが、大手業者は軒並み店舗を閉鎖している。そのため、百貨店は売り場を埋めるのさえ難しい状況。背景にはファストファッションの台頭やアマゾン、ZOZOTOWNなどの通販サイトの隆盛がある。

 3月7日、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が株主総会を待たず、任期途中での退任を発表した。
 「予兆はすでに昨年11月に開かれた2016年4〜9月期の決算説明会のときからありました。期初の増益予想から一変して大幅減益となったことを受け、投資家などから大西社長の経営手法に対する批判の大合唱となったのです」(業界アナリスト)

 '09年に53歳の若さで伊勢丹の社長に就任した大西社長は、伊勢丹メンズ店を成功に導くなどの実績を有し、紳士服畑出身の社長として社内外からの期待は高かった。
 しかし、持ち前のバランス感覚でプライド高い者同士という三越と伊勢丹の社内融合を進め、常に自らが現場を回るなど百貨店事業にこだわりを持っていたが、同業他社のように売り場を貸し出してテナント収入に切り替えるような事業変更をあまり進めなかった。
 「手厚い接客で顧客を囲い込む百貨店という高コストのビジネスモデルが、時代に沿わなくなってきているのは間違いありません。その中で大西社長は、百貨店ビジネスにこだわってきた。だが、旗艦店である伊勢丹新宿店の売上減にも歯止めがかからない。退任をきっかけに、三越伊勢丹の大幅なリストラや閉店ラッシュが始まる可能性があります。大西社長の退任は、従来の百貨店ビジネスの限界を示したと言っても過言ではありません」(同)

 日本橋で誇らしげに吠えるライオン像は三越の象徴だった。新宿で浮沈艦の異名をとった伊勢丹も今や昔。最強タッグと謳われた「三越伊勢丹」も時代の衰盛には逆らえなかったか? “通販サイト”の海に沈む日が近いと言わざるを得ない。

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