WBAは6月8日(日本時間)、最新のランキングを発表し、正規王者の興毅を「休養王者」に認定したことが明らかになった。
興毅は4月4日、神奈川・横浜アリーナでのノルディー・マナカネ(インドネシア)とのV4戦で、判定勝ちを収めたものの、両拳を負傷。左第3中指骨骨折に加え、もともと痛めていた右手も悪化させた(右第2中指骨骨折)。WBAに提出された診断書によると、最低4カ月は練習ができない状態だという。
当初、興毅は8月に同級暫定王者、ウーゴ・ルイス(メキシコ)との指名試合を行う計画だったが、これは白紙となった。
WBAでは昨年11月、目の故障のため、防衛戦が当面行えないスーパーフライ級王者の清水智信(金子)を休養王者とし、暫定王者のテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)を正規王者に格上げした前例がある。清水は負傷が癒えた後、4・4横浜でテーパリットとの統一戦に臨んだが、敗れて王座から陥落した。今回の亀田のケースでも、WBAは同様の措置を取る可能性が高い。
興毅は両拳の負傷が癒えても、年内の復帰は難しい状態。復帰後は長期間のブランクを抱えながら、統一戦に挑まなければならず、王座を死守するのは至難のワザだ。
ここで、大きな不安な点がある。興毅の拳の負傷は今に始まったわけではなく、これまでも度々痛めてきた古傷。ボクサーにとっては、避けては通れない負傷箇所でもある。復帰をしても、再発の危険を抱えたまま。再度、痛めれば、選手生命にも影響しかねない。
(落合一郎)