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警察を大混乱に陥れた PC遠隔操作事件容疑者の歪みきった自己顕示欲

 「前の事件で1年6カ月も服役した片山は、母方の姓に改名して派遣会社に登録。その後はIT会社を転々として苦労したことから、警察を逆恨みして事件を引き起こしたようなのです」
 捜査関係者が話す“片山”とは、「遠隔ウイルス事件」で2月10日に警視庁と4都府県警の合同捜査本部に威力業務妨害容疑で逮捕されたIT関連会社社員の片山祐輔容疑者(30=東京・江東区在住)のこと。「大阪の無差別殺人予告」をはじめ、13件もの余罪を追及されている同容疑者は、犯行を否認中(2月11日現在)だが、事件の裏には幼稚極まりない自己顕示欲と猫への異常愛があった。

 社会部記者がこう語る。
 「片山は、'05年に仙台市の女児とレコード会社『エイベックス』社長らへの殺害予告を書き込んで逮捕されたが、仙台の事件の際には“神の代理人”を名乗っていた。今回の事件でも、動機やウイルスの設計図入りのSDカードを神奈川県・江の島で猫の首輪に仕込み劇場型犯罪を演出したが、実際は思い込みの強いオタクだったのです」

 また、前出の捜査関係者がこう明かす。
 「実は、片山は幼い頃から自宅で猫を飼っていた無類の猫好き。逮捕前に訪れていた浅草だけでなく、都内の猫カフェに頻繁に出入りしていた。レコード会社への脅迫事件も、2ちゃんねるに端を発した猫のキャラクターの無断使用に憤慨したためだが、反面、ネットオタクの血が騒いだことも事実なのです」

 ただし、この猫好きと極度の自己顕示欲が今回の逮捕に結びついたのは、なんとも皮肉な限り。捜査本部は、件の江の島の防犯カメラに映り込んでいた猫と戯れる片山容疑者の映像を解析。自宅を割り出し、逮捕にこぎつけたのである。

 前出の社会部記者が言う。
 「遠隔操作事件では4人もの誤認逮捕が行われた。そのため、信用を失墜させられた警察内では『やっと面子が保てた』と安堵感の声が広がっているが、今後模倣犯が続出しないかと神経を尖らせてもいるのです」

 第二の片山容疑者が現れないのを、祈るばかりだ。

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