DYJHは、業界第2位の売上規模を誇るパチンコホールチェーン、株式会社ダイナムを傘下に持つ。ダイナムは全国に『ダイナム』、『ゆったり舘』、『信頼の森』の3ブランドで合計346店舗のパチンコホールを運営(2012年3月末時点)し、'12年3月期の年商は8900億円にものぼる大企業である。そんな大企業が“社会的なステータス”にこだわったというわけだ。
「理由は、高学歴な大卒新入社員の獲得を目指しているからです。DYJHの佐藤社長が上場の記者会見で『入社に際し、親や親戚から反対されることがある』と発言しているように、パチンコホールへの就職に対する風当たりは強い。そんなイメージを払拭するための対策なのです」(業界関係者)
業界最大手の株式会社マルハンは、大卒40歳(エリア長)の年収を約1400万円(年俸制)と例示。現在、一流企業といわれる企業に就職して40歳で1400万円を稼ぐことのできる企業が一体どれだけあるだろうか。それだけ、パチンコホールの高学歴者獲得競争が過熱してきているのだ。
そもそも、DYJHが日本で上場できず、香港で上場したことがどれだけ“社会的なステータス”の獲得に寄与するかには疑問が残るが、少なくとも表面的に「学歴で差別などしない」と学生をだます企業の人事担当より、どれだけ清々しいことか。前出の業界関係者は言う。
「いまだに日本は学歴社会。高学歴の方が金融機関からも融資を受けやすい」
背に腹はかえられない。