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ユニバーサルがEMI買収で業界激震 コロコロ変わるトップ人事に現場困惑

 レコード会社ほど社員が居づらい職種はないとみていい。トップがコロコロと代わるためで、現場はどの派閥についていいのか迷うのである。

 昨年暮れ、わが国のレコード業界で最大級の買収合併劇がおこなわれ、その余震が続いている。
 KARAなどを抱えるユニバーサルミュージックが、松任谷由美らがいるEMIミュージック・ジャパンを買収したのだ。ユニバーサルの親会社は仏・ヴィヴェンディ傘下で、世界77カ国にレコード会社を置くユニバーサルミュージック。同社が英EMIのCD・レコード部門を買収したため、日本でも今回の措置となった。

 買収されたEMIは、ビートルズの日本出版権も持つ英名門レコード会社の日本法人。
 最近はヒットがなく経営不振に陥っていたが、それでも社員数250名、年商250億円の規模を誇る業界では老舗のトップ企業である。
 「松任谷由美の他、宇多田ヒカルらと契約し、昨年はユーミンがベストアルバムを出すなど営業的には活気づいていた矢先でした」(音楽業界関係者)

 かたやユニバーサルはいまもっとも元気のいい会社といわれ、KARAのほか、少女時代らK-POP旋風でひと儲けした。福山雅治らも所属し直近の決算では年商300億円、社員数400名。

 今回の買収劇でEMIの社員が困っているのは、EMIのトップがユニバーサル幹部へ格下げ状態で異動したこと。
 「1月半ばに正式に合併するが、昨年6月にEMI代表取締役会長に就任したばかりの行方均氏がユニバーサルの副社長になった。EMI社長には小池一彦ユニバーサル社長が兼務という形式で就任する。EMIは最近トップが変わりすぎて現場は困惑しています」(前出・音楽業界関係者)

 買収されたEMI社員が恐れているのは、次に続く大幅なリストラであろう。
 EMI社員に対し同情の声は少なくないが、今後別のレコード会社でも同じようなことが起きるに違いない。
(編集長・黒川誠一)

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