こう語ったのは、他ならぬ中国の最高実力者・習近平総書記だ。
公明党の山口那津男代表が、突如「尖閣問題」に揺れる中国を訪問。その不可解さが取り沙汰されてきたが、なんと『創価学会』の池田大作名誉会長の名を外交カードにひけらかしていたことがわかり、官邸筋をあ然とさせているのだ。
政治部記者がこう語る。
「山口は1月22日に安倍総理の親書を携え、いきなり北京入り。共産党の王家瑞中央対外連絡部長と会談すると、突然、『公明党の創立者である池田名誉会長が日中国交回復に大きな役割を果たした』『その精神を我々も受け継がなければならない』と持ち出した。このブラフに、対面に難色を示していた習近平が25日に渋々会談。池田氏への謝辞を述べたのです」
ご存じの通り、池田氏は中国の大学から数多の名誉称号を授与されている。また、創価学会は中国の大学に莫大な寄付と留学生の受け入れに尽力しており、要はその“恩”をチラつかせて、習氏を会談の場に引きずり出したというわけだ。
ただし、これに飛び上がったのは官邸筋だ。
「安倍総理が尖閣問題進展に学会の功績を利用しようとしたのは事実だが、まさか池田氏の名を出して脅しをかけるとは思っていなかった。山口は訪中前にも尖閣問題の棚上げ論を展開しているが、公明党と中国首脳が結託し、これを推進すれば国防軍創設を訴える安倍の目論見は頓挫する。逆に同党が中国寄りのスピーカーとなれば、政権自体が窮地に陥るというわけです」(外信部記者)
もっとも、山口氏の目論見は、さらに深いところにあるとも言われているのだ。
「実は山口は、同じ方法で竹島問題に揺れる韓国をも懐柔しようとしていると伝えられる。理由は公明党が提案した、消費税の軽減税率対象品目を自民党が一蹴したからだが、対立する国々とのパイプを武器に、安倍政権を内部から牽制しようとしているのです」(前出・政治部記者)
夏の参院選までには、不協和音が聞こえてきそうだ。