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誘発地震が呼ぶ“関東直下型”

 伊豆大島近海を震源とした地震が発生し、東京千代田区で震度5弱(M6.2)を記録したのが5月5日早朝。それから8日後の5月13日午前8時35分ごろ、埼玉県草加市と横浜市港北区で震度4(M4.9)の地震が発生した。
 13日の震源地は千葉県北西部で、震源の深さは5日のときよりも浅い約80キロ。気象庁は「首都直下と関係は薄い」としたが、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏は、5日の地震が関東地方での地震を誘発する可能性をこう指摘する。
 「深い所で今回のような地震が発生すると、それに誘発されたように浅い所で地震が発生する。千葉北西部で発生した地震は小さいのでストレスが取れたとは言い難い。今後も引き続き注意した方がいい」

 過去にも、深い震源で発生した後に浅い震源での巨大地震が発生した例がある。
 「日本海北部で、1931年2月20日にM7.4、'32年9月23日にM6.9、同年11月13日にはM7.0の地震を観測しました。これらはいずれも震源が深かったのですが、それに誘発されたように'33年3月3日、三陸沖の浅い所でM8.3の大きな地震を観測した。さらにオホーツク海南部でも、1950年2月28日に深い所でM7.8の地震を観測し、その2年後の3月4日、十勝沖の浅いところでM8.1の巨大地震を観測している。これらは、深い震源の地震が浅い震源の地震を誘発した事例です。しかしその地震は、いつ起きるか誰にもわからないのです」(同)

 弊誌5月29日号でも島村氏は、「ギューギュー詰めの満員電車で1人が体を引いたら、支え棒が外れて他の人のバランスが崩れてバタバタ倒れることがある。それと同じ」と、誘発地震が起きる現象を例えたが、13日の地震は“支え棒”が外れ始めた一端にすぎず、過去の例を見れば巨大地震の前触れとも取れるのだ。
 “Xデー”はやはり目前なのか。

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