巨大集団・音事協を47歳になる若手経営者が舵をとることになった。任期は2年。
同協会の加入社は100を超える。エイベックス、太田プロ、北島音楽事務所、研音、サンミュージック、長良プロ、バーニング、ホリプロ、吉本興業、渡辺プロなどで発足は1963年、初代会長は中曽根康弘氏だった。
二代目に渡辺晋(渡辺プロ)、続いて堀威夫(ホリプロ)、井澤健(イザワオフィス)、尾木徹(プロダクション尾木)の各氏がポストを受け継いできた。堀義貴氏はホリプロ創業者で音事協三代目会長・堀威夫氏の二男。親子で会長職に就くのは初めてのことだ。
その勢力拡大はハンパではない。今年1月、ザ・プリンス・パークタワー東京で新年会が開かれ、芸能界はもとより、政財界などの関係者1500名が出席した。
「会場内は人が多くてなかなか歩けない。これだけの盛大なパーティーはテレビ局や映画会社主催でも見たことがありません。昨秋、旭日小綬章を井澤健前々会長が、藍綬褒章を尾木前会長が受章したことを祝ったものです。同時に音事協の政事力をみせつけたといえます」(芸能プロ幹部)
堀新体制で脇を支えるのは、専務理事の五藤宏氏、常任理事・神林義弘氏(長良プロ)、同・本間憲氏(レブロエンタテインメント)、同・吉田美樹氏(渡辺プロ)らだ。
協会挙げて取り組んできた私的違法ダウンロード罰則が10月から適用化され、長年の努力が実った。
だが、課題は山積みである。牛歩状態でなかなか進展をみせない私的録音録画補償問題、TPPでも大きなテーマとなっている知的財産に関わる問題などである。
百鬼夜行の世界だけにその手腕が試されることになりそうだ。