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PC恋愛ゲーム原作アニメ化を加速させた『To Heart』

 1997年にLeafから発売され、後のアダルトPCノベルゲームに大きな影響を与えた『To Heart』。このゲームは1999年にプレイステーションで内容を全年齢版に変更し、フルボイス化したソフトが発売される。それと同時進行でアニメ化も決定、1999年4月〜6月まで放送され、その後のPCゲーム原作アニメ化の流れを加速させることになる。

 アニメ版『To Heart』は、内容がゲーム版と大きく異なる。ゲーム版では、春先からゴールデンウィークまでが舞台になるのに対して、アニメ版では、秋からクリスマスまでが、作品の舞台となっている。これほどの原作を改変をすると批判が殺到することが多いのだが、アニメ版で新たに作られたエピソードも主人公の浩之、ヒロインのあかり、サブヒロイン志保の三角関係を上手く描いていると好評で、他のサブヒロインのエピソードも充実しており、批判がほとんどなかった。特に2話のエピソードは携帯電話を学生がほとんど持ってない時代特有のすれ違いを巧みに描いており、かなり評価が高い。

 このアニメの放送により、PC恋愛ノベルゲームが、普段PCゲームをやらないアニメファンにも浸透。同作が放送された1999年のPCゲーム業界では、『To Heart』と同じくPCゲーム業界で大ヒットし、後にメーカー名にかけて「葉鍵時代」と呼ばれようになるきかっけを作った『Kanon』がKeyより発売。この作品も、アニメ化され、2002年1月〜3月まで放送された。(斎藤雅道)

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