土曜の昼間っからカラオケに引きこもり、聖子ちゃんや、明菜ちゃん、アン・ルイスなどとにかく古い歌ばっかり歌う中年女二人。まったくもってデートの予定もなければ結婚する気配もない寂しいアラフォーだが、そんな二人の前に現れた店からのお誕生日プレゼントのスイーツは、あまりにも破壊力が強いシロモノだった。
角に切り込みを入れた食パンの上にアイスクリームやらシュークリーム、フルーツ、生クリームなどがぎっしりとのっかり、パンはハチミツでドロドロになっているという、カラオケ店などでおなじみのデザート。テレビや雑誌では見た事があったが、実物を食べたのは初めてだ。火のついた花火が2本、ロウソクのかわりにパチパチ燃えている。見た目と味はすこぶるよろしいが、量が多い。でも、残してももったいないので、歌うのも忘れてワシワシと二人で平らげてしまった。これ半分で一日分以上のカロリーを摂取したかもしれない。
そういえば、オーダーすれば1000円以上もするデザートを気前良くタダでくれるのに、生年月日を証明するものを何も見せなくていいこのカラオケ店。不思議に思った記者はこの近くの飲食店に勤務するP子に事情を聞いた。「そりゃあ、ここは新宿。場所柄キャバクラ嬢やホストがお客をひき連れてよく来るでしょう? 毎回ノーチェックで、巨大ケーキがもらえたらそりゃ場が盛り上がるって」とニヤリ。(コダイユキエ)