課題山積みで、次の作業に間にあわないからだ。
年が明けてからも、フジの不調は止まらなかった。万年4位のTBSがWBCで高視聴率を稼ぎ、そのせいでフジは4位に転落かとささやかれている。
そのため、総会を待っての役員人事・業務変更では遅いと判断したようで、対象は最高首脳周辺まで及ぶといわれている。
注目はドン・日枝久会長の出処進退だ。
「1月初めのフジサンケイグループ祝賀会で、日枝氏は『時代変化に対応し脱皮の年に』と挨拶した。“脱皮”という言葉を使ったので、日枝氏本人も変わる、つまり退任か、とみる向きも多かった。しかし、今年は蛇年。それにちなんで変わるべきだ、と言いたかったようだ。日枝氏はフジの社長、会長になって25年目に突入。あまりにも長いせいか、早期にリタイアしたOB連から厳しく追及されている」(放送業界紙記者)
当然、豊田皓社長の処遇も取りざたされている。'13年は3期6年目、バトンタッチの時期としておかしくはない。動けば会長昇格が妥当な線だ。
「結局はオオタが去って、オオタが社長になる」
今年になってから、こんな言葉がフジ局内を走っている。
つまり、次期社長候補だった大多亮常務が子会社へ転出か、無任所となり、太田英昭副社長が社長に昇格するという人事を指す。ただ、わずかな確率だが、遠藤龍之介常務(作家・遠藤周作氏子息)が“特進”で社長にという声もある。
大多常務には落胆の声が少なくない。
「『料理の鉄人』現代版として『アイアンシェフ』にタイトルを変えて放送したが失敗。ドラマも、長くコンビを組んできた江口洋介を起用し、1月期クールドラマ『dinner』を編成したが10%前後しかいかなかった。今度は、かつて愛人といわれた鈴木保奈美を水曜ドラマ『家族ゲーム』に起用する。お友達キャスティングとひややかな目でみられ、編成担当常務として大丈夫か、と不安視されています」(フジ関係者)
大多常務以外にも現場の最高編成責任者らが大量に動くとみられ、激震はしばらく治まりそうもない。