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小泉・細川2人の元首相が口が裂けても言えない「脱原発」本当の理由(2)

 つまり、原発の復旧が再び危機に瀕していることが露呈すれば、多くの無党派層票が細川氏に流れるはず。当選することも現実味を帯びてくるのである。
 「その意味でも、選挙戦終盤の小泉の策略ぶりが注目されている。すでに小泉は細川に『東京五輪の一部競技を被災地で行う』と発言させているが、首相時代にも『自民党をぶっ壊す』のワンフレーズで、日本郵政公社をズタズタに分社化しただけに、今度は『まず都民に原発減税を行う!』などと言い出しかねないのです」(選挙アナリスト)

 もっとも、加熱する選挙戦の裏側では、なぜ今になって小泉−細川連合が「脱原発」の御旗を掲げ、都知事のイスを狙いだしたかが話題となっている。なぜなら、今回の都知事選当選者が握る影響力は、歴代都知事の比ではないからだ。
 政治部デスクが言う。
 「次に都知事となる人物の政財界への影響力は、猪瀬時代とは明らかに違う。五輪開催、カジノ誘致と莫大な利権が転がり込むからです。例えば、東京都にはニュージーランドの国家予算に匹敵する年間14兆円もの予算があるが、これに加えて五輪のインフラ整備にかかる5兆円が国から助成される。一方、『カジノ法案』は今通常国会で成立の見通しで、カジノやホテルを含めた5000億円もの総工費が見込まれる『お台場カジノ構想』も活況を帯びているのです」

 また、現在自民党内では防災を目的とした「国土強靭化計画」を策定中だが、10年間で200兆円を投入するといわれる同計画でも、「東京都には莫大な費用が投下される」(自民党議員)と見られているのだ。
 「そのため、小泉は細川都知事を誕生させて政財界への影響力を増大させ、自らを中心とした政界再編を目論んでいるともっぱら。ひいては政権奪還をも狙っていると噂になっているのです。実際、細川の選挙資金も出所が判然とせず、『五輪やカジノ、エコエネルギーなどの利権を見越した財界筋、海外企業から出ている』と評判。現役時代から策士と呼ばれた小泉だけに、利権で財界を味方につけ、これを軸にオセロゲームのように政権を覆そうとしている可能性も少なくないのです」(前出の政治部記者)

 前出の選挙アナリストがこう語る。
 「小泉氏が突如、原発ゼロを唱えだした真意は“永田町最大の謎”となっているが、原発を手段に政界再編を狙っていたとすれば、都知事選は格好の材料だったはず。細川氏が利権で肥大化した都政を握れば、民主党、日本維新の会、生活の党などが傾倒し、一大勢力が出来上がることは確実なのです。脱原発も嘘ではないだろうが、小泉、細川両氏の真の狙いがここにあることは否めないのです」

 熾烈を極める都知事選の裏側は、「脱原発」か、「再稼働」かという単純なものではないようだ。

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