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ドラマ『ゲゲゲの女房』のモデルたち

 NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」が好調だ。放送直後は14.8%だった視聴率も6月に入り20%を超える事が多くなり「ゲゲゲ夫婦」は朝の顔として定着した。ドラマの魅力はなんといっても向井理演じる村井茂(水木しげる)と松下奈緒演じる村井布美枝のほのぼのしたキャラクターだろう。他の登場人物も、どこか憎めない「イタチ男」浦木克夫、燃える漫画家兼出版社社長の戌井慎二、頼れるけど病弱なハンサム社長である深沢洋一など「ゲゲゲ夫婦」にも負けるとも劣らない個性派ぞろいだ。「ゲゲゲの女房」は水木しげるの妻である武良布枝さんのエッセイを元にしたドラマであり、もちろん上記の人物にもモデルは存在する。

 まず、「イタチ」のあだ名を持つお調子者の浦木克夫(演:杉浦太陽)。名前は不明だが、水木しげるの漫画家仲間がモデルになっている。「少年戦記の会」の付録が安いプラモデルだったというのは、実話に近いエピソードだ。水木しげるの「ボクの一生はゲゲゲの楽園だ」(講談社文庫)によると、浦木のモデルになった漫画家は組み立て式の紙飛行機を雑誌「少年戦記」の懸賞品として用意していたのだという。なお、この漫画家は金に対する執念が凄く深い男だったらしく、ねずみ男のモデルにもなっている。さすがは、ねずみ男のモデルだけあって金儲けのセンスは本当にゼロだったらしいが…。

 戌井慎二(演:梶原善)のモデルは漫画家の桜井昌一。桜井昌一は漫画家としてデビューするが、後に出版社の東考社(ドラマでは「北西社」)を立ち上げる。経歴もドラマとほぼ同じだし「悪魔くん」も東考社から出版されている等、戌井さんはかなり実話に近い。違いをあげるとすれば、北西社の事務所が弟の辰巳ヨシヒロ(この人も漫画家)の自宅ではなかった点だろうか? さて、ドラマを見ていて気がついた方も多いと思うが、戌井慎二=桜井昌一は水木漫画によく出てくる「メガネ出っ歯のサラリーマン」のモデルである。まさに適役! なキャスティングである。

 深沢洋一(演:村上弘明)のモデルは「ガロ」を出版した長井勝一。結核を患ったのは事実であるが、現実はもっと悲惨でなんと3回も結核に倒れている。長井勝一は3度に渡る結核で片肺を切除し、かすれた声になってしまった。見た目もひょろひょろになってしまい、お世辞にもあまりたくましそうには見えないが顔が俳優の宇野重吉(寺尾聰の父親)に似ており、なかなかのハンサムさんであった事は間違いないようだ。

 さて、ここで筆者から事実とドラマの一番の違いというか、知ったら絶対に違和感を感じてしまうだろうポイントを紹介したいと思う。それは見た目と年齢のギャップ。水木しげるは1922年、長井勝一は1921年、桜井昌一は1933年の生まれ。つまり事実に直すと、向井理と村上弘明は1歳違いで、梶原善は向井理よりも10歳年下というわけなのだ!

そんなのってアリ???

(「昭和ロマン探求家」ほづみあきゆき 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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