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話題沸騰 吉本興業・大崎洋社長 自叙本で明かされた裏社会“交渉術”

 現在、芸能関係者の間では一冊の新刊本が話題となっている。吉本興業・大崎洋社長(59)の自叙伝『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語』(幻冬舎刊)だ。
 「現役社長の本とは思えないほど刺激的な内容でしたね。関西のイロモノ・プロダクションだった吉本が東京に進出して現在の成功を勝ち取るまでのビジネス書としても読めるし、サラリーマンの青春小説のようでもある。吉本は創業100周年記念事業の一環として、昨年から所属タレントの本を100冊刊行するというプロジェクトを進めていますが、正直、今まで出たどのタレント本より面白かった(笑)」(放送作家)

 大崎社長といえば、あのダウンタウンを育てた敏腕マネジャーとして知られているが、本書では吉本興業に入社してから社長になった現在までの出来事がこれでもかというほど赤裸々に語られている。劇場でゲロ掃除をしていたという左遷時代、ダウンタウンとの出会い、「ミスター吉本」と呼ばれた木村政雄氏や『オレたちひょうきん族』プロデューサーで元吉本興業専務だった故横澤彪氏との壮絶な社内抗争、創業者一族が絡んだ内紛劇等々−−。

 さらにエピローグでは、あの島田紳助の芸能界引退をめぐる舞台裏も明かされており、メールや電話で連絡を取り合っていたという大崎社長とのやり取りからは、現在の紳助の複雑な心境を垣間見ることもできる。
 紳助は「一時は自殺しかねないほど落ち込んでいた」そうで、昨年8月に大崎社長が直接、会って復帰の意思があるかどうかを聞いた際には、「正直、まだキツいんや」「5年後か10年後、CSの番組かなんかでトークとかをできればええかな」と、独特の言い回しで答えたというエピソードが明かされている。
 「ネットメディアは『紳助復帰』と煽りましたが、事実上は紳助が復帰要請を断ったようなもの。引退後の紳助は、一度だけ週刊誌の直撃に『もう仕事はしない』と答えていますが、どうやら今でも本気でそう思っていることがはっきりしました」(スポーツ紙記者)

 もっとも、本誌読者にとって本当に注目すべきは別の部分にある。大崎社長や吉本興業と裏社会の壮絶な“バトル”に関する記述だ。
 吉本興業といえば、ここ数年、何かと世間を騒がせてきたのは周知の通り。中でも大崎氏が副社長時代、創業者一族の意向を受けたという「元暴力団幹部」とみられる実業家2人に「創業者一族のジュニアを取締役にしろ」と詰め寄られた一件は有名だ。この事件は「大崎副社長脅迫事件」として週刊誌でも大々的に報じられている。
 本書にはこの「脅迫現場」の詳細なやり取りも記されているのだが、その交渉術はなかなかシタタカだ。
 「怒鳴ってきた相手に怒鳴り返したりもしているんですが、ギリギリの一線は絶対に越えない。そうしながら冷静に相手の思惑を探っている様子がよくわかります。これが吉本を成長させてきた“交渉術”なんですね」(社会部記者)

 ちょうどダウンタウンの人気が大ブレイクしていた時期には「日本中の『怖い人たち』から電話がかかってくるようになっていた」そうで、「名前を聞けば誰でも知っているような広域指定暴力団を筆頭に、あらゆる暴力団、右翼団体の名前を聞かされた」という。
 こうした勢力は、さまざまな手を使ってダウンタウンや吉本興業に食い込もうとしてきたのだが、まだ吉本側のコンプライアンス体制も整備されていなかったため、当時の大崎社長がすべての対応を一手に引き受ける防波堤となっていたわけだが、本書を読む限りでは何か特別な対応をしていたわけではなさそうだ。その撃退方法とは「とにかく相手に会って話を聞き続ける」というものだった。
 「別に何か取引をするわけでも頼みごとをするわけでもない。胸を張って会おう。それでも納得してもらえなければ、一生付き合う覚悟で話を聞き続ければいい」

 けっして感情的にはならず、日常の業務と同じように笑顔で淡々と対応することもポイントだ。
 「おう! ○○組の誰々のスジのモンじゃ。お前んとこのタレントが云々−−。今から行くからな!」
 「はい分かりました。じゃ、明日会いましょか」
 かかってくる電話にこんな対応をするようになってからは「イチャモン系」の9割の対応が明らかに変わったというから、かなり効果的だったようである。
 もちろん、実際にやってくる相手もいたようだが、笑顔で話を聞いたうえで「それはできませんから」と粘り強く話し続けるのだ。
 「普通は目の前のモメ事など一刻も早く終わらせたいと思うものですが、裏社会ではその心の隙に付け込んで言い分を飲ませようとしますからね。さらに言えば、逃げ回ったり誰かの手を借りようとすればするほど泥沼にはまってしまう。ただただ断り続けるというのはある意味で最強の交渉術かもしれませんな」(ヤクザに詳しいライター)

 同様に、大崎社長は吉本の“怪芸人”中田カウスからも、当初は敵視されていたというが、1年近く毎日のようにかかってきた電話に対応し続けることで最後には和解した経緯も書かれている。
 ここ数年、世間を騒がせ続けた吉本興業のゴタゴタは、ある意味で裏社会につながる前近代的な興行会社から脱却するための戦いだったともいえる。

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