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巨大地震5秒前 ここが最も危ない日本列島震源地マップだ(1)

 4月13日早朝、阪神・淡路大震災の震源となった「六甲・淡路断層帯」の南端周辺で、震度6弱(M6.3)の強い地震が発生した。さらに17日夕方には三宅島近海で震度5強(M6.2)、19日には千島列島でM7.0(根室市で震度4)と、日本列島の地下が不気味な動きを見せている。
 「日本列島は完全に地震の活動期に入った。目前に迫った危機に、もはや我々がやるべき目新しい対策はありません。耐震補強や、激しい揺れの際は机の下に隠れる、そして食料水の備蓄を十二分にするしかない。淡路島の地震で死者は出ませんでしたが、それは当たり前の対策を十分やっているからだと思います。普段からの防災意識の有無が、生死を分けるのです」(防災ジャーナリスト・渡辺実氏)

 すでに“その時”のための覚悟を決めておくべきというわけだが、果たして陸地内で起きる直下型地震は、どこで発生するのか。
 やはり気になるのは、先日の淡路島の地震。心配なのは、付近を走る活断層の活動を誘発しないかということだ。というのも、淡路島の東南方向には『南海トラフ』がある上、大阪市にも『上町断層帯』という活断層が走っているからだ。

 東海大学地震予知研究センターの竹内昭洋特定研究員が説明する。
 「今回の地震が他の活断層の揺れを誘発するかどうかは、断層の向きなどから計算しないと何とも言えません。南海トラフへの影響は、M6.3という規模から考えても可能性は薄いと思われます。ただし、今回の発生で溜まっていたストレスが解放されることもあれば、“最後の一押し”となる可能性もある。もし誘発を引き起こし大阪の真下が震源地になれば、甚大な被害から逃れられません」

 上町断層帯は、吹田市、豊中市から大阪市を縦断して岸和田市に至る長さ42キロの断層で、断層帯の東側が西側に乗り上げる逆断層型。調査研究推進本部の調べで、六甲断層の1000年より遥かに長い1万年周期で活動していることが判明しており、すでに前回の活動から約2万8000〜9000年が経過している。つまり、いつ活動しても不思議ではない状態だという。
 「南側からフィリピン海プレートが陸側のプレートを押している状況で、ひずみができていることは間違いありません。南海地震が起きれば解放されますが、現段階ではかなりストレスが溜まっていると思われます」(防災に詳しいジャーナリスト・村上和巳氏)

 この上町断層帯が動いた場合、吹田市では震度6〜7強が予想されている。特に市南部には泥や多量の水分を含んだ軟弱地盤が広がっているため、液状化も加わって全壊戸数が30%以上に達すると見られているのだ。
 「大阪府全体の全壊戸数の予想数は、阪神・淡路大震災の10万棟を大きく上回る28万棟。たとえば地震が冬の午後6時に発生した場合、4万人を超える犠牲者が出ると推測されています。しかも、途中で寸断されている断層帯全てが同時に動いた場合、震度7以上の揺れになるともいわれている。となれば、地表面には3メートルを超える段差が発生し、鉄筋コンクリートの建物が引きちぎられるように倒壊すると考えられているのです」(地元紙記者)

 これが、都心部で起きる直下型地震の怖さなのだ。

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