「嗅覚がボケきっているのは、そんな人物らを“四天王”などとした安倍首相だけではない。加計学園の獣医学部新設について『官邸は絶対やると言っている』などと文科省に伝えた文書が出てきた萩生田光一官房副長官、さらに文科省の前川喜平前事務次官らの“反乱”で火に油を注ぐ結果を招いた菅義偉官房長官もしかり。側近らもすでに死に体になっている」(前出・自民党幹部)
こうした、安倍首相自身や一強状態を支えてきた周囲の衰えが都議選敗北につながり、それを見定めたかのように、これまでのシンパが安倍離れを始めているのだ。
「自民党外で最大の応援団と目されていた日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)などは、今回の稲田氏の失言直後こそ『辞任の必要はない』と発言していたが、2日後には『早く辞めるべきだ』と大きく軌道修正した。これは安倍政権の終わりを感じ取り、見切りをつけたということだろう」(自民党関係者)
都議選後、安倍首相が起死回生として打ち出す内閣改造でも、ひと波乱あるとの見方が広がっている。
「安倍首相は政権浮揚策の目玉として、小泉進次郎農林部会長と、橋下徹前大阪市長を閣内に取り込む動きを水面下で見せていた。しかし、都議選後に漏れ伝わってくる情報では、進次郎氏は“要請されても入閣は断る”と言い出しているという。橋下氏も安倍首相が稲田氏を続投させようとしていることについて、今村雅弘前復興相が東日本大震災に絡む失言で即更迭されたことを引き合いに出し、『不公平だ』とツイートして批判する有様。内閣改造しようにも人材が集まらない状態になっている」(同)
終焉を指摘される三つ目の理由は、健康不安説だ。先の自民党幹部の話。
「都議選中、ほとんど街頭演説に立てなかったのは加計学園問題もあっただろうが、体調に不安があるともっぱら。ドクターストップがかかっていたという情報まで流れている」
背景には6月9日の深夜、慶応病院の医師数人が、急きょ首相私邸に駆けつけたとの情報が駆け巡ったことにある。安倍首相の秘書も「五十肩がひどくなったため」と医師に診てもらったことは認めているというが、政界事情通は言う。
「大騒ぎになることが分かっていながら、肩が痛いぐらいで深夜に医師を呼びつけることがあるのか。よほど緊急を要することがあったとも取れる。翌日にはフィットネスクラブに3時間こもったというが、五十肩がひどければジムで運動などできない。そんな話が流れる状況で、求心力が元に戻るとも思えない」(同)
それにしても、支持率下落、内閣改造、体調不良では、第一次安倍政権の末期とソックリの展開だ。
「今後、同じように総辞職となれば、麻生氏の再登板が濃厚ではないか。一方の小池氏は、都議選に圧勝したことで早い段階で国政新党を結成するだろう。本格的な始動は次期総選挙。そこで30〜50議席を勝ち取ることで自民党と対峙する。その時の相手が麻生氏なのか、はたまた他の人物となっているのか。岸田文雄外相、石破茂前地方創生担当相などの動きからも目が離せない」(同)
ハゲ1300万人の恨みはこんなもんじゃない!